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【大きなトップで飛ばす】<後編>体が硬くても深いトップが作れる秘策&練習法

飛距離アップのためには「トップを大きくすること」が重要だと市川雄三プロは言うが、体が硬い人はどうすればいいのか? 大きなトップで飛ばすための体使いのコツについて教えてもらおう。

TEXT/SHOTANOW PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/CPGカントリークラブ

解説/市川雄三

いちかわ・ゆうぞう。神奈川県出身。高校からゴルフを始め、日本体育大学を経て研修生として腕を磨き26歳でプロ入り。競技参戦の傍らアマチュアの指導にも力を入れ、主に体が衰えてきた50歳以上の“飛距離回復請負人”としてのレッスンが人気

>>前編はこちら

  • 50歳を境に「カラダが硬くなった」、「肩が上がらない」という 経験は誰しもがあるはず。 このままだとスウィングがだんだん小ぢんまりとしたものになって飛距離も下降線に……。でも、諦めるのは早い! 動きにくくなった体でも大きなトップで飛距離を伸ばす方法があるぞ! TEXT/SHOTANOW PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/CPGカントリークラブ ……

右ひざを伸ばせば
大きなトップが作れる

大きなトップは、上半身の動きだけでは作れないそうだ。

「50歳以上の人が小さなトップになってしまっている要因は、右肩だけではありません。お腹や腰周りの筋力が低下したことで、いわゆる『骨盤を入れた状態』が作りにくくなり、トップが小さくなっている人が多くいます。

そこでやってもらいたいのが、トップで右ひざを伸ばす動き。右脚全体がピーンと伸びることで右腰の位置が高くなり、自然と右の骨盤に乗った状態を作ることができます。右サイドが全体的に伸びることでトップも高くなり、しっかりと右足体重の安定したトップを作れるので一石二鳥です。

これに左かかとのヒールアップも組み合わせることができれば、宮本プロのように頭のてっぺんより高い位置に手元がくる大きなトップを作ることができるでしょう」

右ひざをピンと伸ばすことで右腰の位置が上がり、それに伴い手元の位置が高くなって大きなトップを作ることができる

インサイドから下ろしやすくなる

トップで右ひざを伸ばすと右腰の前に広い空間ができる。切り返し以降、そこに手元を下ろすことでインサイドからヘッドが下りてランの出るドローになりやすい


手首のコックも
活用しよう

手元の位置が高く大きなトップができたら、クラブヘッドをより深く入れることでさらにヘッドが動く距離を長くすることが可能だという。

「50歳以上になったら、手首を積極的に使うこともオススメしています。それは手首は肩周りや下半身に比べて硬くなりにくいからです。これは運動習慣が少なくなっても、手を使った作業は日常生活の中で頻繁に行われているからだと思います」

具体的な動かし方を教えてもらった。

「トップで親指を上側に曲げるコッキングの動きを入れて、クラブシャフトをより水平に倒すように動かしましょう。この時に手首が手のひら側に折れ曲がらないようにするのがポイントです。

手首が硬くなりにくいといっても、50歳を過ぎると長時間のデスクワークやスマホ使用で動きが悪くはなってきます。ショットの間の移動時間に常に手首をグルグルと回しておくと、ラウンドの後半でも大きなトップを維持することができ、飛距離を落とさずに済むでしょう」

親指が腕側に近づくようにコックを入れることで、よりヘッドが深く入り大きなトップにすることができる。腕と親指が「く」の字になるように動かそう

Point
人差し指と親指の力を抜く

両手ともに人さし指と親指の力を抜き、小指と薬指だけで握るようにする。人さし指と親指を脱力することでより手首の角度を深くつけやすくなる

ここもPoint
左手の甲は腕と一直線が理想

トップで左手が手のひら側に折れる動きが入ってしまうとクラブヘッドの位置が低くなり、インパクトまでの距離が短くなってしまう。左手の甲と腕が一直線になるのが理想

アドレス前に手首のストレッチをしておこう

朝イチや昼休憩後は手首の柔軟性も低下しやすい。素振りの前にクラブを持って右回しを5周程度やっておくとよい

大きなトップが身に付く
2つのドリル

最後に、体が硬い人向けに大きなトップを作る練習法を聞いた。

「前半で紹介したように最も重要なのは右肩を入れることです。クロスハンド素振りでは右肩を入れる感覚や右腕のたたみ方を覚えることができます。

振り戻し素振りは、テークバックでクラブヘッドに勢いをつけることでより高い位置に手元を持ってくる練習。いずれもボールがなくてもできるのでストレッチ代わりに、ショットの前にやってみてください」

Drill 1
クロスハンド素振り

上下の手を逆に握っての素振り。通常の順手だと右手が左手より上側にあるため、右肩を入れるイメージが出しにくいが、右手が体の近くにあることでトップで右肩が入る感覚を理解しやすい

Drill 2
振り戻し素振り

ヘッドをフォロー側に振り出してから、それを戻す勢いでトップを作る練習。通常よりテークバックでベッドが加速しているため、より高い位置に手元を上げやすくなる

週刊ゴルフダイジェスト2025年9月16日号より