今季ブレーク! 生源寺龍憲の強さを暴く<後編>162cmで平均298Y! 飛んで曲がらないスウィングはどう作られた?
月刊ゴルフダイジェスト
今季2勝を挙げ、賞金ランキングトップを独走中の生源寺龍憲。後編では、162cmという小さな体で290ヤード超を安定して飛ばすスウィングの秘密について教えてもらった。
TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroaki Arihara、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa THANKS/ザ・クラシックゴルフ倶楽部

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- 昨年まではほぼ無名だった生源寺龍憲が今季一気にブレークしている。彼の強さは一体どこにあるのか。じっくり聞くと、“考え方”に秘密があった。 TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroaki Arihara、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa THANKS/ザ・クラシックGC 生源寺龍憲 しょうげんじ・たつのり。1998年生まれ、山口県……
腕の動きを制限したほうが
球は曲がらない
スウィング作りにおいて再現性を重視してきたという生源寺。では再現性を上げるためには何が大切なのか?
「スウィングプレーンですね。クラブがスムーズに動くことが大切なので、複雑な動きはしないほうがいい。だからスウィングの“遊び”をなくすように練習してきました」
その“遊び”となるひとつの要素がトップの大きさで、コンパクトであれば再現性は高まるという。「現代の主流がコンパクトなのも理由があって、腕をあまり使わないからなんです。腕の動きを制限したほうが球は曲がりません」
もちろん、ただコンパクトにすればいいというわけではない。
「基本的には骨盤の傾きと背骨がスウィングのベースなので、まずは正しいアドレスでそこを整える必要があります。例えば直立して水平に体を回して振ったらプレーンは狂いませんよね。あとは骨盤を身長や腕の長さに合わせて正しく傾けて、その傾きを保って回せばいい。それと、腕の“遊び”をなくすために僕は腰の高さまでにコックを終わらせて、インパクトの形を作っています。そこからは腕は何もしないで体を回して切り返すだけにしています」
これぞオンプレーン!
生源寺龍憲の1Wスウィング
ココを意識①
仙骨を高く保ち骨盤を正しく傾ける

アマチュアに多いのはひざが曲がりすぎていたり、背中を張って骨盤が傾きすぎるタイプ。この構えだとオンプレーンに振るのは難しい。仙骨を高く保つ意識と、土踏まずの上にひざと腰が乗るように構えることが重要

ココを意識②
フックグリップの度合いを弱めた

昔はかなり強いフックグリップで、そのために左ひじが外側を向きインパクトで左肩が上がって腕が外れていた。ひじを軽く内側に向け、フックグリップの度合いを弱めたことで、動きが良くなった
ココを意識③
腰の高さでコックを完了

“遊び”をなくすためにバックスウィングでコックを早めに入れて腰の高さで完了させる。そこから切り返してインパクトの形になれば正しいコックができているということ
ココを意識④
左手の甲でフェース面を意識

左手首はやや掌屈させ右手首は縦のコックを入れたら、それがインパクトの形。あとは左手甲でフェース面を意識しながら、クラブが体の正面から外れないようにすればいい

重要なのは腕の振りよりも
骨盤の回転スピード
ヘッドスピードを上げるためには、腕の振りではなく骨盤の回転スピードを上げることだと生源寺は考える。骨盤の傾きがズレてしまうと回転スピードは上がらないため、だからこそ正しい構えが必要。さらにスピードを上げるためには足を蹴る力も重要になるが、腕の動きを制限すれば下半身の出力は上がる。

クォン教授のスウィング解析で飛距離が伸びた

昨年、バイオメカニクスの第一人者・クォン教授のスウィング解析を受けた。「インパクトでもっと左足に加重させるための、バックスウィングでの右股関節の使い方を教わりました。あとはバックスウィングを速く上げるように言われて、最初はできなかったですが右股関節の使い方が良くなったら速度が上がり、飛距離も伸びました」
- 身長162cmで290Y以上飛ばす生源寺龍憲プロだが、今年、プレーするステージが上がったことで、壁を感じているという。そこで、もう一段階上のスウィングを身に付けるべく「地面反力」の第一人者であるクォン教授のもとを訪れた。果たして教授が指摘した改善点とは? TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara ILLUST/Hide……
コンパクトに振れば100切りはカンタン?
一度だけ左用のクラブで左打ちでラウンドしてスコアは86だったという。「セルフコーチングという意味でラウンドしてみました。要は、コンパクトに振って、行ってはダメなゾーンに行かなければ100を切るのは簡単ということです」

月刊ゴルフダイジェスト2025年10月号より


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