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夏の深いラフ&逆目のライはUTがオススメ! 「フェースを開けばソールが滑ってくれます」

夏の深くて強い芝にすっぽりボールが埋まる。距離的にグリーンに乗せたいがアイアンだと出すのが精いっぱい。そんなときはユーティリティを使うと意外と楽に飛ばすことができると中道洋平プロは言う。やっかいな夏ラフから距離を稼げる方法を教えてもらおう。

PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/芥屋ゴルフ倶楽部

中道洋平 なかみち・ようへい。1985年生まれ、長崎県出身。東北福祉大時代に『日本学生』で優勝。2007年にツアープレーヤー転向。長年パットに苦しんだが2年前から復調して下部ツアーに参戦中。ショット力の高さには定評があり、持ち味の粘り強いプレーでシード獲得を狙う

UTならラフでも振り抜ける

中道 ボールがラフに沈んでいても順目ならそれほど難しくありませんが、逆目はかなり厄介です。そんなときにこそ活用すべきなのがUTです。理由は、UTはソール面が広いから逆目のラフでも芝の抵抗に負けずに振り抜くことができるからです。

――でもボールが沈んでいたら、さすがに振り抜けないような気がしますが。

中道 沈んでいても順目ならUTを使えば、ボールの手前の芝を倒しながら打てるので振り抜くことができます。逆目や多少沈んだラフまでならOKですが、かなりの逆目で深く沈んでいたらさすがにUTでも難しいです。そんなときは、少しアウトサイドインでボールをカットするイメージで振り抜いてください。

――ボールのどれくらい手前にヘッドを入れればいいですか。

中道 どのラフでも、だいたい10~15センチくらい手前にヘッドを入れる感じです。それ以上ボールの手前からヘッドを入れたり、大根切りみたいに上から下へ振り下ろすとダフリやチョロの原因になるので気を付けてください。

アドレスのポイント
ハンドレイトに構える


スウィングのポイント
芝を刈り取るイメージでカットに振り抜く

ボールがかなり沈んでいたり強い逆目になっている場合は、芝の抵抗に負けないように少しだけヘッドをカット気味に動かすといい

フェースを開けば
ソールが滑る

――ヘッドは滑らせるイメージですか。

中道 結果的にヘッドは芝を滑ります。だから上から打ち込みにいったりせず、ボールの手前10~15センチのラフに落とすイメージです。そのとき、1つやってほしいことがあります。それが少しフェースを開きながら振り抜くことです。

――フェースを開くんですか?

中道 そうです。フェースを開きながら振っていけば、ソール面をさらに広く使えるので、より芝を滑らせやすくなります。イメージ的にはフェース面を空に向けるようにするといいです。沈んでいたり逆目のライのときは有効ですので試してください。

フェースを開きながら振り抜いていく

フェースを返すとUTでもリーディングエッジが芝に突っかかりヘッドの抜けが悪くなるのでチョロなどのミスが出やすくなる

右手のひらでボールをすくうイメージ

フォローでフェースを上へ向けるには、右手のひらを上に向けるように使う。そうすると、UTのソール面全体を使って芝を押し倒しながら振り抜きやすいという

フォローでヘッドを低く出す

芝を刈り取るようにカット気味に振るため、フォローはインサイドに振り抜く。飛ばしたい気持ちが大きいとフォローが大きくなりがちだが、低くコンパクトに振り抜くのがポイント

芝が自分側に倒れているときは?

中道 ライで注意すべきは順目と逆目だけではありません。

――どういうことでしょうか。

中道 自分から見てボール側に芝目が向いていると、インパクトでフェースは開く傾向があるのでアドレスで少しフェースを閉じておきます。逆に自分のほうに芝目が向いている場合は、インパクトでフェースがかぶりやすくなるので少し開いて構えます。振り方は先ほど説明した通りでいいので、アドレス段階でフェース面の向きを変えて対応してください。

自分から見てボール側に芝が倒れている場合
>>フェースを閉じる

スライスしやすいので若干フェースを閉じて構える

自分のほうに芝が倒れている場合
>>フェースを開く

引っかけやすいのでフェースを開いて構える

週刊ゴルフダイジェスト2025年8月19・26日合併号より