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【練習場の“浦”メニュー】Vol.8「“クラブ様”の動きを妨げない当て方を知ろう」

身長171cmで420Yという驚異の飛距離を誇る浦大輔が、上達に役立つホンモノの練習を伝授する連載「練習場の“浦”メニュー」。飛ばすためには腕を頑張れと浦さんは言うが、本来は自分だけが頑張ってもダメで、クラブの重さを有効に使うことも非常に重要。今回はクラブのエネルギーを生かすためのドリルを教わった。

TEXT/Kosuke Suzuki ILLUST/Koki Hashimoto PHOTO/Takanori Miki THANKS/√dゴルフアカデミー 

浦大輔

うらだいすけ。身長171cmで420Y飛ばす飛ばし屋にして超理論派。東京・池上で√d golf academyを主宰。「浦大輔オンラインアカデミーサイト」では、スペシャルドリルやマル秘レッスンを有料会員限定で配信中

>>前回のレッスンはこちら


今月の浦メニュー
“クラブ様”の動きを
妨げない当て方を知ろう


こんな人にオススメ!
●「手打ち」の人
●クラブの重さを感じられない人

飛ばすためには腕を頑張ることも重要だが、それはクラブの重さとその落下エネルギーを生かせていることが大前提。スウィングを腕に頼りすぎているいわゆる「手打ち」でクラブの重さを感じられない人は、腕をどんなに頑張ってもそれが飛距離アップに生かせない

「何もせずに当たる」
ポジションを探す

前回、飛距離アップのために「腕を頑張る」ドリルを紹介しましたが、実はあのドリルにはセットでやってほしい対になる練習法があるんです。それはクラブ最優先の「落下ドリル」です。

本来、ゴルフスウィングにおいて一番重要なエネルギーは重力による落下の力なんです。人間の腕は、左右両方で体重の15%前後の重さがあると言われています。体重60kgの人なら約9kg。クラブの重さが加われば10kg弱。これだけの重量物がトップの位置から落ちてくるだけで相当なエネルギーがあるわけで、この落下を妨げずにいかにアシストするかが飛距離アップの本質なんです。


だからどんなに腕を頑張れと言ってもこの落下をジャマしないことが大前提で、クラブの重さが消えてしまっては本末転倒。あくまでも“クラブ様”が一番偉くて、自分はその下僕にすぎないことは忘れちゃいけません。

この「落下ドリル」は、自分は何もせず、クラブと腕の重さだけで球を打つ練習です。腕を頑張る練習でクラブの重さが消えてしまわないよう、ぜひ2つセットで交互にやってください。

やり方は、左手1本でウェッジを持って、アプローチのトップからクラブを落っことしてボールを打つだけです。左肩を支点に、肩から先が糸の切れた操り人形みたいにストンと落ちればOK。完全な左足体重で立って、体重移動とか体の回転とかは一切不要です。本当にただ落下させるだけ。

腕を振ったり手首を使ったりという当てに行く動きを完全に排除してちゃんと当てるのは、実はメチャクチャ難しいです。多分みなさん、全然当たらないのでつまらなくて数球でやめちゃうと思いますが(笑)、そこが頑張りどころ。この練習は、「クラブを落下させるだけでボールに当たるポジション」を探す練習でもあるんです。

ポイントは左肩の位置。振り子の支点が左肩なんですから、ヘッドが落ちるところ=最下点を変えるには支点である左肩の位置を変えればいい……というか、腕でクラブを一切操作しない以上、それ以外に当てる方法はありません。

ほとんどの人は最初、ボールの30cm以上手前にヘッドが落ちるでしょう。そうしたら、そこから胸を左に向けるように左肩の位置を左後ろ方向にズラしてみてください。ヘッドの落ちる位置が少しボールに近づくはずです。こうやって微調整を繰り返して、何もせずにヘッドがボールに当たる位置を探してください。

やっと上手く当たっても、最初はボールが左に飛び出すはず。これを真っすぐ飛ばすには、体全体の向きを右に向ければいい。

こうやって探り出した最適解が、インパクト時の理想の体のポジションなんです。ダウンスウィングで体がここにいれば、腕が何もしなくても必ず当たる。言い換えれば、そこから腕をMAX頑張っても“クラブ様”のジャマをせずにその出力を重力に上乗せできるというわけです。

左腕を脱力し重力だけでクラブを「落下」させて球を打つ

左手1本でウェッジを持ち、左足1本で立ったアプローチのトップから腕を脱力しクラブを落下させて、ヘッドがボールに当たる位置を探る。左足1本で立つことで体は動かず、腕とクラブを振り子のように落下させやすくなる

Point 1
左肩を支点に腕とクラブを落とすだけ

体は一切動かさず、腕も振らず手首も使わない。自分の出力はゼロで、左肩を支点に左腕とクラブを重力に任せて落下させるだけ

Point 2
何もしないでも「当たる」ポジションを見つける

クラブヘッドが落ちる位置は左肩の位置で決まる。当たらなかったら左肩の位置をいろいろと変えて、「当たるポジション」を見つけよう

自分依存を脱却しクラブの重さを生かして飛ばせる!
自分がどんなに頑張ってもクラブの重さを生かせないとエネルギー効率が悪くて飛ばない。クラブを感じられない自分依存から脱却し「当たるポジション」を知れば、クラブに仕事をさせて飛ばすことができる

月刊ゴルフダイジェスト2025年9月号より