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【南出仁寛の千日回峰行】Vol.9 パットは「シャフト」を真っすぐ動かす

シニア入りを機にツアープロ転身を目指す南出仁寛プロの修行の旅。前回、ある程度「テンポ」を上げるほうが、ストロークのぶれが少なくなることを指摘された南出プロ。それによって、フェースの開閉にどんな影響があるのかが気になるが……。

PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/GOLSSYO

ゴルフ修行僧/南出仁寛

みなみで・きみひろ。78年生まれ、大阪府出身。06年にプロ転向。ドラコン日本タイトル15冠。世界大会は11度出場し、最高成績は10位(日本人最上位)。シニアツアー出場資格年齢まであと4年

今月の「師僧」/丸山颯太

まるやま・そうた。99年生まれ、福井県出身。福井工大ゴルフ部を経て、日本で数少ないパッティングコーチとなる。ツアープロはもちろん、黒宮幹仁氏が運営する名古屋市内のスタジオで多くのアマチュアも指導する

>>前回のお話はこちら

  • シニア入りを機にツアープロ転身を目指す南出仁寛プロの修行の旅。名古屋にある「パット専門ラボ」で、自分が弱点と認識しているロングパットのスピード(タッチ)改善に関わるある数値を提示された南出プロだったが、その数値とは!? TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroaki Arihara  THANKS/GOLSSYO ゴルフ修行僧/……

「真っすぐ」動かすのは
ヘッドではなくシャフト

南出 ショートパットでもロングパットでも「テンポ」を一定にするのが、タッチを安定させる第一歩ということでしたよね。

丸山 そうですね、南出さんの場合はPGAツアー平均よりも少し速めのテンポが合っています。

南出 ひとつ気になるのが、テンポを速くすると引っかけやすくなるんやないですか?

丸山 理論的にはその心配はないです。パッティングではシャフトを「真っすぐ」ストロークするということがすごく大事で、これができている限り、速く振ってもインパクトでフェースはかぶらないんですね。

南出 シャフトを真っすぐというのは、ストレート-ストレートの軌道で、フェースもあまりターンさせないということですか?


丸山 いえ、シャフトがストレートに動いてもパターにはライ角があるので、インパクト後にヘッドはインに動きますし、フェースも閉じていきます。

南出 ちょっと難しい……。

丸山 シャフトをストレートに動かせるレールを使うとわかりやすいと思います。レールに沿ってシャフトを動かすと、テークバックではヘッドがインに動いてフェースが開く、フォローでは、同じくフェースがインに動きますが、今度はフェースが閉じるというのがわかると思います。

南出 むしろ、普段より閉じてる感じがしますね。

丸山 南出さんの初期データを見ると、テークバックでのフェースの開きが足りなくて、インパクトは少しクローズになっていましたよね。なので、それ以上フェースが閉じないようなフォローの出し方になっていたんだと思います。

南出 なるほど。見かけ上、これだけ閉じても大丈夫や思ったら、安心してストロークできますね。

南出「フェースはターンさせないということ?」
渡邊「シャフトを真っすぐ動かすと自然とフェースは閉じていきます」

ストローク中、カップ(ターゲット)に対してフェースがスクエアになるのは、アドレスとインパクトの瞬間の2回だけ。テークバックではフェースが開き、ダウンストローク以降はずっとフェースが閉じ続けるが、それを自分でやる必要はなく、パターが勝手にやってくれる

Point 
ストローク中
シャフトはずっと「真っすぐ」

多くの人は「ヘッド」を真っすぐ動かそうとしてしまうが、大事なのは「シャフト」が真っすぐ動くこと。パターにはライ角があるので、ヘッドは自然にイン‐インに動き、フェースも開閉する

タッチの練習には曲がるラインが最適

曲がるラインはタッチがぴったり合わないとカップインしないので、タッチの練習に最適。カップへの意識は無くして、打ち出しのターゲットに対して真っすぐなラインをイメージし、それに対してストロークする

南出プロはやや「トウダウン」

シャフトはライ角通りに構えるのが基本だが、本人の好みで多少のハンドアップ、ハンドダウンは問題ない。大事なのはアドレスとインパクトでシャフトの角度に差がないこと。データで見ると、南出プロはアドレスで1.6度、ハンドアップ(つまりトウダウン)だが、インパクトでもそれを維持できている

月刊ゴルフダイジェスト2025年9月号より