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名手・小木曽喬のアプローチ術<前編>ドローのイメージでスピンを減らす「シンプルな転がし」がスコアに効く!

男子ツアーでアプローチが上手いのは誰かと質問するとよく名前が挙がるのが小木曽喬。シンプルな転がしからフワッと上げるロブショットまで多彩な技を見せてくれる技巧派だ。そんな小木曽の“小技哲学”に迫った。

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/ミズノオープン

解説/小木曽喬

おぎそ・たかし。高校3年時に当時最年少で日本アマ優勝し翌年プロ転向。23年レギュラーツアー初シード。昨年の「ハナ銀行」で念願の初優勝を果たした。「フロンティアの介護」所属

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ドローのイメージで
スピンの少ない球を打つ

17歳で日本アマを制し、翌年18歳でプロ転向したものの、そこから初優勝までは10年かかった。とはいえその10年は成長に必要な時間だったという。

「まずプロとアマではコースセッティングが全然違うので、最初はプロで通用する技術が足りませんでした。そしてチャレンジツアー(現ACNツアー)とレギュラーツアーもセッティングが違うので、より技術レベルを上げる必要があってここまで時間がかかりました」 

アプローチはアマチュア時代から得意だったものの、レギュラーツアーのグリーンの硬さに対しては、必要な技が変わってくると感じたという。

「レギュラーはグリーンが硬くてスピンがかかりにくいので、結局シンプルに転がすほうがいいとわかりました。だからロブが上手い人よりも転がしが上手い人が上位にいるのです」 

ロブショットが上手い人がアプローチの名手というイメージがあるが、そもそもプロはロブショットが必要になる場所にはあまり外さない。外すなら簡単に寄せられる場所というマネジメントのもとにプレーしているから、転がしで寄せることのほうが圧倒的に多いのだ。 

では転がしが上手い人というのは具体的に何が上手いのか?

「ヘッドが急加速しないで、一定の速度で振れていることは大事だと思います。あとはサイドスピンが入らずにキャリーしてから真っすぐ前に転がることですね。僕はそのために少しドローを打つイメージで転がしたりします」 

ドローを打つとはいっても左に曲がりながら転がるわけではない。

「フェースを立てながらややインサイドアウトに振るとスピンが減って転がりが良くなります。短い距離でも軌道やフェースの使い方を変えることは大切で、それはショットにも繋がっていくことなのです」

プロはグリーンを外したときに寄せやすい場所を狙っているため、ピッチ&ランを含む転がし系のアプローチを打つ場面が多い。さらにグリーンが硬いからスピン系よりランを使うほうが確実に寄せられる

ダボを回避するためには上げる技術も必要

転がしが使えなくて球を上げないといけない状況は、失敗するとダボになるリスクがある。ダボにせずに確実にボギー以内で収めるためには、ロブショットの技術も必要

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月刊ゴルフダイジェスト2025年8月号より