ビタッと止まるアイアンショット<前編>十分な“落下角”を確保しよう

近年、アイアンは「落下角度」が重要だということが叫ばれるようになったが、なぜ落下角度が大事なのか、どうすれば理想的な落下角度の球を打つことができるのか。徹底研究した。
TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Tadashi Anezaki、Takanori Miki、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、Yasuo Masuda、Shinji Osawa THANKS/東名CC、千葉セントラルGC、ブリック&ウッドC


解説/永井延宏
1969年生まれ。日大ゴルフ部出身、渡米して最先端のティーチング理論を学ぶ。帰国後多くのプロ・アマを指導
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- アイアンで狙った場所にボールを止めるには「落下角度」が重要だということは分かったが、では、十分な落下角を確保するにはどうすればいいのか。打ち方のポイントを教えてもらおう。 TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Tadashi Anezaki、Takanori Miki、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa、Yasuo Masuda、Shinji ……
高く飛んでストンと落ちる弾道が理想
アイアンの弾道データで、プロが気にしている項目が「落下角度」。落下角度が大きいほど、重力を利用してグリーン上でボールを早く止められる。逆に言うと、アマチュアのボールが止まりにくいのは、落下角度が小さいからだ。スウィングと弾道の関係に詳しい、永井延宏コーチは、
「アイアンで距離を合わせるには、弾道の『奥行き』を意識することが必要」という。「奥行き」とはつまり、最高到達点から地面に落下する地点までの距離のこと。奥行きが短いほど落下角度は大きく(球が止まりやすく)なる。ただし、
「最高到達点に達するまでにできるだけ飛ばしておくということも重要です。そのためにはボールの強さ(初速)や、打ち出し角の高さも必要になるので、自分のヘッドスピードに合わせた番手(ロフト)ごとの『適正値』を考えて弾道を作っていかなくてはいけません」

【プロの弾道】最高到達点までに距離をかせぐ
プロは番手ごとの適正なインパクトロフトで、強くボールにエネルギーを伝えられるので、最高到達点までの距離が長くなる。同じ距離でも、より短い番手で打てて、球を止められるということ
【アマチュアの弾道】最高到達点からだらだら飛んでいく
あまり高く上がらずに、長く滑空を続けるタイプの弾道はアイアンには向いていない。落下角度が小さくなってしまうため、グリーンに落ちてから長く転がってしまうからだ
落下角が大きいメリット①
狙った場所に止めやすい

落ちてからすぐ止まる弾道なら、池やバンカー越えのグリーンでピンが手前にあるときでも積極的に狙っていける。また奥のピンに対してもオーバーの不安が少ない
落下角が大きいメリット②
キャリーで計算できる

弾道全体で最高到達点までの距離が長くなるほど、その番手のキャリーとトータル飛距離の差が小さくなる。つまり、キャリーで距離感を合わせやすくなるということ
ボール選びも重要!
飛距離重視のボールはアイアンでも低スピン傾向なので、最高到達点が低くなりやすい。最高到達点を上げるには、スピン重視のボールを使うほうが有利

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月刊ゴルフダイジェスト2025年7月号より