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【南出仁寛の千日回峰行】Vol.7 ロングパットを強く打ちすぎてしまう理由は? パッティングを数値で解析!

シニア入りを機にツアープロ転身を目指す南出仁寛プロの修行の旅。今回は、PGAツアーの某トッププレーヤーも訪れるという名古屋のパッティングラボへ。飛ばしは得意分野の南出プロだが、果たしてパットの実力は?

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/GOLSSYO

ゴルフ修行僧/南出仁寛

みなみで・きみひろ。78年生まれ、大阪府出身。06年にプロ転向。ドラコン日本タイトル15冠。世界大会は11度出場し、最高成績は10位(日本人最上位)。シニアツアー出場資格年齢まであと4年

今月の「師僧」/丸山颯太

まるやま・そうた。99年生まれ、福井県出身。福井工大ゴルフ部を経て、日本で数少ないパッティングコーチとなる。ツアープロはもちろん、黒宮幹仁氏が運営する名古屋市内のスタジオで多くのアマチュアも指導する

>>前回のお話はこちら

  • シニア入りを機にツアープロ転身を目指す南出仁寛プロの修行の旅。前回、切り返しで「みぞおちから曲げる」動きは、腹部にパンチをもらって耐える感覚に近いとわかった南出。長年の癖である、インパクトでの起き上がりはついに直るのか? PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/KEN HORIO GOLF ACADEMY ゴルフ修行僧/南出仁寛 ……

パットを数値で分析すると…

南出 こういうパッティングの計測は初めてですけど、数値的にはどうなんですか?

丸山 最初に5球打ってもらって、「クインテック」という機械でボールの転がりを計測してみたんですが、回転率の項目が「+55rpm」と高いです(「+」は順回転、「rpm」は1分間当たりの回転数)。PGAツアー選手の平均が「+50rpm」くらいなので、かなり転がりがいいです。

南出 それは嬉しい。

丸山 何か、パッティングで気になっていることはありますか?

南出 距離的には「OK」なんやけど、ちょっとだけ長いときがありますよね? あれが苦手なんです。打ったら多分入るんだけど、外しそうな感じがするというか。だからラウンドだと、「これOKちゃうん? どうなん? 打つで?」みたいに催促したり(笑)。


丸山 南出さんはアドレスでフェースが少し(1度未満)開いているんですが、ダウンストロークで閉じながら打っていて、インパクトの数値で言うとほとんどスクエアにヒットできています。真っすぐなラインだったら、計算上は20フィート(6m強)までは入るくらいの正確性ですね。

南出 ということは、短いパットはもっと自信を持っていいと。

丸山 大丈夫だと思います。

南出 あと、もっと長い距離のときにバーンと強く打ちすぎてしまうことがあるんですが……。

丸山 肩の縦回転でストロークするタイプなんですが、このタイプはそもそも上体の揺れが大きいので、それがスピードのばらつきにつながりやすいデメリットはあります。ばらつきを抑える方法は次回、ご説明します。

南出「長いパットを強く打ちすぎてしまうことがあります」
丸山「スピードのばらつきは出やすいタイプですね」

欧米ではかなり一般的になってきているパッティング専門のラボだが、日本ではまだまだ数が少ない。
ボールの転がりを計測する機器と、クラブの挙動を計測する機器、それにビデオによるストローク中の
体の動きの診断を組み合わせて、よりよいパッティングパフォーマンスを引き出していく

上体の揺れが大きくなりすぎる

左胸に支点があり、ストローク中に上体が大きく揺れるため、とくにロングパットで体の動きが大きくなりすぎてタッチが強くなってしまうことがある

ストロークは縦と横の2タイプがある

上体を縦回転させるタイプは、ストロークの再現性が高く、アッパー軌道でヒットするのでボールの転がりがよくなる。横回転は手の感覚を使いやすい

Drill
帽子のつばを押さえてボールを打つ

インパクトで頭が右に動く(アッパー軌道が強くなりすぎる)クセがある南出プロ。帽子のつばを押さえてもらうことで(写真)、頭の左右ずれを小さくできる

ショットの弾道を計測する「トラックマン」などと同様に、欧米ではパッティングのパフォーマンスを計測できる機器が広く普及している。そのひとつが「クインテック」(正式名称:Quintic Ball Roll)。これは主にボールの転がりを計測するのが目的。もうひとつ、クラブの挙動を計測する機器に「キャプト」(CAPTO)がある。2つを組み合わせることでより立体的な診断ができる

月刊ゴルフダイジェスト2025年7月号より