【スウィング研究】ローリー・マキロイ「“飛んで曲がらない”の究極形。ポイントは左腕の使い方」

キャリアグランドスラムという偉業を成し遂げたローリー・マキロイの最新スウィングを徹底解剖!
PHOTO/Blue Sky Photos

解説/坂井慎之介
最新のスウィング理論を知り尽くし、プロからアマチュアまで幅広くレッスンを行う。名古屋のインドア練習場「GOLSSYO」(ゴルッショ)所属
ローリー・マキロイは身長175cmと米ツアーでは小柄なほうです。それでもドライビングディスタンスは3位(317.5Y)と驚異的な飛距離を誇っています。さらに安定感もあるのがマキロイの大きな特徴でしょう。
では、どのようにして飛距離と安定性を両立させているのか? その答えは左腕の使い方にあり、アドレスからフォローまで常に左腕が伸びた状態でスウィングしています。そうすることでスウィングアークが大きくなるので、長身の選手に負けないパワーを生み出せているんです。そしてもう一点、左腕を伸ばすことで左肩がスウィングの支点になるので体と手元の距離が保たれ、安定した軌道でスウィングできるというわけです。これが方向性の良さを生む要因ですね。
この左腕の使い方を見ると、『絶対に手を使わない』という意思がうかがえます。これは大慣性モーメントのドライバーヘッドを上手く扱うためだと思います。できるだけフェースの開閉を使わず、体とクラブを一体化した、現代のクラブに対しての教科書ともいえるスウィングですね。
ローリー・マキロイの1Wスウィング(正面)
切り返しから左足を強く踏み込んで出力していくのですが、体が左に流れず右足で踏ん張れているので最後までパワーを逃がさずに飛ばすことができています。
ローリー・マキロイの1Wスウィング(後方)
月刊ゴルフダイジェスト2025年7月号より