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メダリスト・都筑有夢路がゴルフに挑戦!<前編>握り方、構え方…アドレスの基本

いよいよゴルフシーズンに突入。新しいことを始めるにもぴったりの時期だ。ずっと「ゴルフをしてみたい!」と思っていたというメダリスト・都筑有夢路がゴルフに挑戦! ゴルフを始めたい人、ゴルフを教えてあげたい人、どちらにも参考になるゴルフの基本を教わろう。

PHOTO/Shinji Osawa THANKS/RED GOLF CLUB

都筑有夢路(左) つづき・あむろ。木下グループ所属。01年生まれ、神奈川県出身。11歳でサーフィンを始める。16歳からワールドサーフリーグ(WSL)の試合のため世界転戦を始め、20年には日本人女子初となるチャンピオンシップツアー(WCT)クオリファイへの出場を果たす。東京五輪銅メダリスト
宮林雄規(右) みやばやし・ゆうき。RED GOLF CLUB所属。00年生まれ、愛知県出身。中学から本格的にゴルフを始め日体大荏原高ゴルフ部へ。明治大学に一般入試で入学しゴルフ部に。卒業後、先輩・西川哲らとバーディ赤坂24で、またオンラインで初心者からアスリートまで幅広くレッスンを行ってきた

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「アドレスとフィニッシュが整うと
スウィングも整う」

都筑 私、ゴルフはずっとやりたかったんですけど、教えてくれる人がなかなかいなくて、何から始めたらいいんだろうと。サーフィンの男子選手にはゴルフする選手は結構いるんですけど、女性は少ないかもしれません。

宮林 僕も大学時代、サーフィンを少しやっていたんですよ。面白いですよね。今日はサーフィンの動きなども交えながら、楽しくやっていきましょう。特に大事なポイントは最初と最後。基本的なアドレス(構え)とフィニッシュが整うと、スウィングが整うんです。何事も第一印象って大事でしょう。それにプロは最初と最後の形が皆綺麗。そこができると自然にその間の動きも綺麗になる。「オセロ」みたいに考えてくださいね。

都筑 まずは握り方からですね。どのクラブを使えばいいですか?

宮林 9番アイアンです。ある程度重さもあり、当たりやすい条件のなかでスウィングしたほうが定着する。昔は6、7番が真ん中のクラブで最初の1本として使っていましたけど、今はそれだと当てるので精いっぱいになります。

都筑 初めてクラブを持ちました。

宮林 ゴルフには大きく分けて3つのグリップがありますけど、初心者や女性には、力が出しやすいベースボールグリップをすすめます。変に指をかけると力が入りすぎたり痛くなる人も多い。毎回同じ握り方にしづらいですし。もちろん、自分の感覚でしっくりくる握り方でいいんですけど、指や両手に隙間ができるとよくない。クラブを加速するため、隙間なくしっかり握りましょう。

都筑 結構重いんですね。話はそれますけどサーフィンでは、最初は大きくて長いロングボードのほうが乗りやすさがある。道具に頼る感覚です。ショートボードは自分の体重や体をより使いバランスをコントロールしたりキープしないといけないんです。

宮林 面白いですね。ゴルフでも、最近のクラブは大型で機能がよくて、道具に任せる感覚のほうが上手くいく。昔のクラブは小さいヘッドで技術も必要でした。でも最近また流行っています。サーフィンで初心者に教えるときは何から始めますか?

都筑 まずは、海に出ていくパドリングの基本が大事です。これは体力も必要で時間もかかります。また、板に乗るときに最も大切なポイントは目線。近くばかり見がちなんですけど、重心が崩れやすい。遠くを見ることでバランスを保てるんです。あとはメンタルも大事かな。やる気も大事だし、ミスするかも、なんて思うと本当にそうなりますから。

宮林 ゴルフでも目線は大事です。その話はまた後で。そして、よいイメージを持つことはすごく大事ですよね。僕がプロのキャディをするときも、いいイメージを作ってもらうようにします。

宮林 では、構えてみましょう。まずスタンス幅。アイアンのときは肩幅くらいを目安にアドレスします。サーフィンは?

都筑 ボードに乗っているときは動かしているんですよ。そして一番ラクなところで立つ。肩幅がニュートラルポジションで、広げるほど踏ん張りが利いて、板に力が入るんです。

宮林 ゴルフでも広げると下半身の安定感は出るけど回転力が少し弱まる。狭いと回転がしやすくなるぶん、下半身の安定感はあまりなくなる。まずは肩幅くらいにして自然な感じで立てるところを探していきましょう。基本、体の中心にクラブはある。ボールの位置が変わるとスウィングが同じでも全然当たり方が違うので、スタンス幅とボールを置く位置は常に同じに構えられるようにしたいですね。そして体重のかけ方。サーフィンも体重のかけ方でボードの動きが変わってくると思います。ゴルフでは、まず左右均等1:1でいきたいけど、前傾姿勢が必要だから両足の母趾球のところでしっかり踏ん張るイメージを持って、前に6~7割の体重をかける感じで。ひざを少し曲げるといい。あとはボールと離れて立ってしまいがちなので、お腹とクラブの間にこぶし1個から1.5個くらいの空間を作る。安定したアドレスが作れます。めっちゃ綺麗ですね!

都筑 そうですか。何だか恥ずかしいですね。サーフィンでも後ろ側に体重がいくとダメなので。

宮林 では、打ってみましょう。最初は怖いと思うので、ティーにボールを乗せた状態で、当たる感覚を養いましょう。あ、でも最初は当たらなくていいんですよ。

都筑 なんだか緊張してきた。「当てなきゃ」って思うと……先生、一度打ってみてください。見るとイメージが湧くんです。

宮林 見て覚えることも大事です。

都筑 すごい迫力! そういえば、ゴルフって「チャー・シュー・メン」ですよね。誰かに聞きました(笑)。

宮林 ははは。でもリズムは大事。その感じで振っていきましょう。当たる感覚がつかめてきたので、次はフィニッシュです。右足だけを意識し、両方の太ももの隙間を寄せていく感じ。こうすると自然と体重は左に移動します。あとは右足が地面と垂直になった状態で止まる。頑張って最後まで振って、3秒止まるようにしましょう。最初と最後の形だけをしっかり作ると、途中の動きもスムーズになるんですよ。逆に途中が上手くいってないとビシッと決まりません。

都筑 確かに、サーフィンでも下手な人のテークオフ(波に乗る瞬間、立つ瞬間)はダサいかな(笑)でもこれ、結構きついです!

宮林 お腹や左のお尻にテンションがかかっているのはいいこと。“ゴルフの筋肉”も鍛えられます。痛くなるくらいでいい。当てるのに必死で最後まで振れない人がいるけど、それはよくないです。

「フィニッシュが決まらないのは、上半身に力が入りすぎていたり、スウィング中のバランスが悪いからです」

都筑 カッコいい形ってきついんですね。アドレスでは前体重にしていたのに、スウィング中に後ろに行ってしまったりしますね。

宮林 女性のほうが力がないので腕で打とうとする傾向がある。男女問わず、下半身をしっかり使うことを意識してほしいですね。フィニッシュで止まれないのは、基本的に上半身に力が入りすぎでもあります。きちんと止まれるのはバランスが取れている証拠です。おお、めっちゃ飛んでますよ。真っすぐに行くのが素晴らしい! 身体感覚がいいから、この短時間で上手くなるんですね。何かスポーツの経験は?

都筑 10歳まではクラシックバレエ、水泳の経験もあります。

宮林 だから体が柔らかくて軸がしっかりしてるんですね。もう1つ、フィニッシュを正面から見たときに、頭から左足までが真っすぐになって、手は高めのほうがいい。遠心力を使うため、クラブのヘッドがなるべく遠いところに行くのがすごく大事です。腕を伸ばして高いところで止まるイメージにしましょう。

都筑 私、褒められて上手くなるタイプなので、嬉しいです(笑)。

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週刊ゴルフダイジェスト2025年5月13日・20日合併号より