Myゴルフダイジェスト

会員登録
  • ホーム
  • レッスン
  • 【風を制するアイアンショット】<後編>上からズドンは逆効果!? 低い球を打つ方法

【風を制するアイアンショット】<後編>上からズドンは逆効果!? 低い球を打つ方法

ゴルフは自然と闘う競技だが、なかでも目に見えない「風」は厄介な敵。風を正しく読み、上手く攻略するための方法を教えてもらおう。

TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/プレステージCC

解説/勝俣陵

かつまた・りょう。2016年、日本大学3年在学時に出場した「埼玉オープン」で、プロもいる中で優勝。翌17年プロ転向。初優勝が待たれるショットメーカー。埼玉県出身の29歳。ロピア所属

>>前編はこちら

  • ゴルフは自然と闘う競技だが、なかでも目に見えない「風」は厄介な敵。風を正しく読み、上手く攻略するための方法を教えてもらおう。 TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/プレステージCC 解説/勝俣陵 かつまた・りょう。2016年、日本大学3年在学時に出場した「埼玉オープン」で、プロもいる中で優勝。翌17年プロ転向。初……

風の影響を減らす3つの工夫

アゲンストのときに番手を上げる目安はわかったが、球を低くする必要はないのか?

「番手を上げれば単純に弾道は低くなるのですが、風の影響を少なくするためにさらに3つのことを変えています。ひとつはボールを少し右に置いて、ヘッドの最下点を左にズラすこと。もうひとつはグリップを短く持つこと。僕はもともと短く持つほうですが、風の日はグリップエンドから指3本分くらいのところが目安です。この2つのことで球は低くなります。最後はトップをコンパクトにすること。これはヘッドスピードを少し緩めてスピン量を減らすためです」 

弾道を低くするだけでなく、スピン量も減らす必要がある?


「低い球を打とうとしてロフトを立てながら上からヘッドを入れてしまうと、スピン量が増えて吹き上がるので風の影響を大きく受けてしまいます。だからスピン量が少ない低い球が理想なのですが、そのために僕はヘッドを低いところから入れることを意識しています。でもこれは風の日に限らず、アイアンの基本として片山晋呉さんに教わったことで、フェースに球が乗るから距離感が合うようになるのです。風の日はなおさら大切になるポイントです」

Point 1
テークバックでフェースはスクェア 

シャットに上げてそのまま下ろすとフェースがかぶってしまうので、手元を前に出してハンドファーストに当てるしかなくなる。すると過度なそれはダウンブローに繋がってしまう。フェース面はスクェアを保ってテークバックすること

Point 2 
トップで動きを止めずに引っぱるように切り返す

Point 3
当てにいかず低く長く振り抜く

インパクトで球を意識して当てにいくとどうしてもヘッドは上から入りやすい。低い位置から低い位置に振り抜くなかに、たまたまボールがあるという意識でスウィングしよう

上から打ち込む必要はない

ヘッドを低いところから入れることがアイアンショットの基本であり、風の日にはボールを右に置いたりグリップを短く持って弾道を低くして対応するのが勝俣流。ということは結局基本を磨くことが大事と……。

「風の日ドリルを2つ紹介しますが、これをやれば風に強くなるだけでなく基本が身に付きます。普段のショットを上から打ち込んでいる限りは、風の日にいくらボール位置を変えたりしても対応できないのです」 

アイアンの基本はダウンブローだと思って、必死に上から打ち込もうとしていたが、そんな必要はないということだ。

「ボールが地面にあるのでダウンブローはダウンブローだけど、“低い位置”からのダウンブローなんです。そうすればスピン量も距離感も方向性も安定して風とも仲良くなれるし、アイアン名人にもなれますよ!」

Drill 1
ハイティーアップ打ち

4cmくらいの高さでティーアップして、ティーには当てずにボールだけを打つ練習。入射角がきつい人はティーを打ってしまうので、ボールが前に飛ばない

Drill 2
コックしてから体を回して打つ

構えた状態から縦のコックでヘッドを上に持ち上げて、そこから上体を回してトップへ行きショットする。正しいコックを覚えるための練習法

低い球を打とうとしたときに引っかけのミスが出やすいのは、フェースが返りすぎるせい。手首は回したり横に折ったりせずに縦のコックだけ使うようにすれば、ラインの出るショットが打てるようになる

ヘッドが体から外れるような手首の使い方をするとフェース面は返りすぎる。縦のコックだけならヘッドが体から外れず、フェースの向きがキープできる

月刊ゴルフダイジェスト2025年6月号より