Myゴルフダイジェスト

会員登録

【ゴルフの急所】Vol.51 格上の相手に勝つには?

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/美奈木ゴルフ倶楽部

>>前回のお話はこちら

  • 30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。 PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/美奈木ゴルフ倶楽部 >>前回のお話はこちら ……

格上の相手に勝つには?


私には、なかなか勝てないライバルがいます。向こうのほうがゴルフ歴は長いし、ハンディも少ないので仕方ないのですが、めったに勝つことができません。そういう格上の相手に勝つためには、どうしたらいいのでしょう?(青木亮さん・39歳・HC12)


基本的に、ボクは格上の相手に勝つのは簡単だと思っています。なぜなら、格上の人というのは、下の人間には勝ち切らなければいけないと考えているからです。

勝ち切るというのは、自分の調子が悪くても、相手が絶好調でも、100回やったら100回勝つということ。絶対に負けないということです。そのプレッシャーがものすごいことは容易に想像がつくはず。さらに、勝負が競ってくればプレッシャーはより大きくなるのですから、つけ入るチャンスはいくらでもあるわけです。

このように、絶対勝たなくてはいけない相手に勝つのは、とても難しい作業と言えます。ですから、いくら格上であっても回数を重ねれば勝機は必ず訪れると考えてください。


逆をいえば、相手に一度も勝てないとしたら、それは圧倒的な差があることになります。その場合、勝つことは難しいので、もう少し実力をつけ、差を縮めてもらうとして、ここからは(圧倒的ではない)格上の相手に勝つためのヒントを授けることにしましょう。

まず、格上の相手を倒すためには、絶対の自信が持てる球を練習する必要があります。それは、ショットでなくても構いません。アプローチでも、パットでもOKです。誰と回ろうと、どんな場面であろうと、いつでも自信を持って打てる。そういう球を磨いてください。それで、ひとつでも相手より優位に立てるものを見つけることができたら、それはあなたの強い味方になるはずです。

次にやってもらいたいのは、相手(ライバル)よりもはるかに上手いプレーヤーとラウンドすることです。そういうプレーヤーは、きっと簡単にパーやバーディを取ってくることでしょう。それを見たからといってゴルフが簡単になるわけではありませんが、そのマネジメントやミスの仕方、ミスの後のプレーはきっと参考になるはず。そうして、ライバルとプレーするときに「あの人ほどではない」と思えたら、何かが変わってくるはずです。

そして、何より大切なのは、自分を知り、自分の土俵でプレーをすることです。自分は何が得意なのか。ビビったときにどんな動きになり、どんなミスが出やすいのか。それを知ったら、得意なものをどんどん伸ばし、苦手なものを少しずつ直していくのです。

そのうえで、どんなに強い相手と回ろうと、相手に何を言われようと、自分のプレースタイルを変えない。自分ができることを淡々とこなし、目の前の一打に集中してプレーするのです。そういうプレーができるようになれば、相手が格上であろうと、必ず勝機は訪れると思いますよ。 

Point 1
自信を持てる球を磨く

ショットであれば、いつでも自信を持って打てる持ち球を作るか、絶対的に自信を持って打てる1本を作る。アプローチやパットが好きなのであれば、それをとことん練習して、より自信をつける。そうして、相手にひとつでも「勝てる」ものができれば、それは大きな武器になる 

Point 2
上手い人のマネジメントを観察する

上手い人というのは、ミスをしても、寄せにくいところ(深いラフや崖の下、次打でグリーンを狙えないところ、下りのラインが残るところなど)や、ペナルティのつくところにはめったに打たない。だから、アプローチが寄るし、ゴルフが簡単そうに見えるのだ。上手いプレーヤーと回るときは、そういうマネジメント面を観察しよう 

Point 3
“自分は自分” 相手に惑わされない

格上の相手だと、相手と同じように飛ばそうとして力んだり、成功する確率の低いショットやアプローチを選んだりしがち。だが、それは相手の土俵でプレーをしている証拠。格上と戦うときこそ「他人は他人。自分は自分」と考え、自分のできることだけを淡々とこなして、自分の土俵で戦うことが大切だ

事前に仮想ラウンドをしておく

格上の相手に勝つためには、事前に戦いの場となるコースをチェックし、そのコースをイメージして練習しておくことも大切。それぞれのホールで、ティーショットをどこに置いて、何番でグリーンを狙うのか、どこに打ってはいけないのか、そういうシミュレーションを繰り返しておくことが、勝利の機会を増やす

月刊ゴルフダイジェスト2025年6月号より