【教えて! なっち先生】Vol.7 バランスよく振れる! 正しい体重移動のコツは“平均台”をイメージしよう

スウィング中のバランスを保つことは、ショットの安定性を保つためにも非常に重要。プロゴルファー・大谷奈千代は、正しい立ち方がわかっていれば、体重を乗せる正しい位置、そして体重移動の仕方もわかってくると言う。詳しく話を聞いてみよう!

>>前回のお話はこちら
- ゴルフにおいていわゆる「手打ち」は悪、とされがちだが、「実は『正しい手打ち』と『悪い手打ち』があるんです」と言うのは、プロゴルファー・大谷奈千代。詳しく教えてもらおう! クラブとの唯一の接点は手なのだから、スウィングにおいても手は当然使う。その使い方が正しいかそうでないかが重要だと大谷は言う >>前回のお話はこちら Lesso……
Lesson 7
正しい立ち方がわかれば
体重移動のコツもわかる
スウィング中に体がグラついて、フィニッシュが毎回バラバラになってしまう……なんて経験のある方は多いと思います。ゴルフスウィングのバランス感覚ってとっても難しいですよね。今回はそんな足裏で感じるバランス感覚についてのレッスンです!
そもそも正しい姿勢で真っすぐ立った時、私たちは母趾球、小趾球、かかと、この足裏の3点で体重を支えるように立ちます。この姿勢から、股関節を折り曲げ、骨盤ごと背骨を前傾させることによって体重は前のめりの状態になりますから、とくに両足の母趾球で体重を支える必要があるわけなんです!
この前傾姿勢を保って、両足を揃えた状態で重心を母趾球に乗せたままスウィングするとグラつくことなくクラブを振ることができます。 そんな重心の位置は少しずつ足幅を広くして、開いた足と足の間で体重移動が起こっても同じことが言えるんです。

体重移動は直線運動
バックスウィングで、体重が右に移動しても体重は母趾球の上にあります。切り返し以降のダウンスウィング、インパクト、フォロースルーへ向かって左足を踏み込んで体重を左へ移動させても、体重が左足の母趾球の上に乗っていなければスウィングバランスが崩れてしまい、軸ブレが起こってしまいます。重心が過剰にかかとやつま先にかかってしまうと、こういった軸ブレが起こり、ダフリやトップのミスに繋がってしまいます。
このことからわかるように、両足の母趾球を結んだ線の上で重心を真っすぐ横に動かすことがスウィング中のバランスを保つポイント。つまり、体重移動の正解は、直線運動と言えるんです。 そんなスウィング中における正しい体重移動は、平均台の上に両足の母趾球の上で立って、アドレスしてスウィングするイメージがピッタリ!
つま先とかかとは平均台から離れて宙に浮いた状態ですから、母趾球から体重が外れてしまうと平均台から落ちてしまいます。これが、体重がかかとにかかってもつま先にかかっても、スウィングのバランスが崩れてしまう証拠とも言えるわけです。落ちないように、バランスを取ってスウィングするためには重心の体重移動が母趾球の線上にあることが大切なんです!
体重移動にあまり大げさなイメージは必要ありません。大胆に動いてバランスを崩して軸ブレを起こしてしまう人は、打つ方向に向かって、重心を体の左へ移すだけのつもりで行ってみましょう。アドレスでほぼ真ん中にあった重心を、バックスウィングでは右に移しますが、それは、これから左へ踏み込むためのタイミングや準備を整えているんです。
スウィングのバランスが崩れてしまう人は、重心の位置が母趾球から外れているかもしれません! 平均台上でのスウィングイメージをぜひ参考にしてみてください。


大谷奈千代
1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う
週刊ゴルフダイジェスト2025年5月6日号より