【教えて! なっち先生】Vol.5 あらゆるミスの温床に! ドライバー「あおり打ち」を解消するオススメ練習法

アマチュアに多いスウィングのミスのひとつが「あおり打ち」。なぜあおり打ちが起こるのか、そしてどう改善すればいいのかを、プロゴルファー・大谷奈千代に詳しく教えてもらおう!

>>前回のお話はこちら
- ボールがつかまらずスライスしてしまう。そんな悩みを抱えるアマチュアは少なくないのではないだろうか。つかまらない原因は「アドレスにあります」と言うのは、プロゴルファー・大谷奈千代。どう改善すればいいのか、詳しく教えてもらおう! >>前回のお話はこちら Lesson 4スライスの原因は「アドレス」ボールがつかまる構えの作り方は? ……
Lesson 5
ドライバーのミスあるある!
あおり打ちをどう直す?
「あおり打ち」は、ダウンスウィング以降に左肩が上がってしまい、クラブがインサイドから入ってくることで起こってしまいます。クラブがインサイドから入りすぎてしまうと、ダフったりボールが左に引っかかったり、または右に真っすぐ飛んでいくプッシュアウトといったミスが起こってしまいますので、安定性と飛距離ロスの原因にもなってしまいますよね。
そんなあおり打ちは、ドライバーでよく見かけられますが、この問題の大きな要因はクラブの進化にもあるのです。
昔のクラブでは、練習をしてもなかなかインサイドからインパクトを迎えることができなかったのですが、現在はクラブの長尺化とクラブヘッドの大型化によって、インサイドから入りすぎるようになり、あおり打ちになりやすくなってしまったんです。こういったクラブの進化の影響がスウィングに起きているということを知っていただくことは、今後のクラブ選びやスウィング作りのヒントになりますよ!
クロスハンドドリルで左肩をレベルターン!
あおり打ちを防ぐには、クロスハンドドリルが効果的です。クロスハンドとは、通常のグリップとは反対に右手を上、左手を下にしてクラブを握ることを言います。
まず、クロスハンドでドライバーを握ってください。次に通常のスタンスで、右腰から左腰の高さの小さい振り幅で軽くスウィングしてボールを打ってみましょう。
このクロスハンドドリルでダフってしまう人は、あおり打ちスウィングの常習犯です! あおり打ちの原因は、スウィング中に左肩が上がってしまい体の回転が止まってしまうことにあります。クロスハンドドリルでダフらずに綺麗にボールを打つには、背骨に対して肩がレベルに90度回ってくる必要があるのです。
次に、クロスハンドで握りながら、左腰の高さで素振りをストップし、左肩の位置をチェックしてみましょう。
正しい回転ができていれば、左肩が首の後ろに回るようにスウィングできています。一方、あおり打ちでは、このポジションですでに左肩が上がっています。あおり打ちを解決するためには、左肩が上がらず、首の後ろのほうに左肩を回していくイメージでスウィングすることが大切です。

何度かクロスハンドドリルでスウィングをしていくうちに体が回転できるようになってきたら、左腰の高さでスウィングを止めて、クロスハンドグリップを通常のグリップに握り直してください。そのまま、フルスウィングのフィニッシュの位置までゆっくりスウィングしていくと、左肩が適正なポジションに収まるようになります。
あおり打ちになってしまう方は、フィニッシュでも左肩が高く上がりすぎてしまう傾向にあるので、クロスハンドドリルで左肩の適切ポジションを習得できると、左肩がいつもより低いところに収まってくるようになりますよ! あおり打ちにお悩みの方は、ぜひ一度お試しください!

手元が左腰に達した際の左肩の位置をチェック。左肩を上げず、首の後ろに左肩を回すイメージでスウィングしよう

大谷奈千代
1984年、神戸市出身。JLPGAトーナメントプロ&ティーチングA級。関西を中心にレッスン活動を行う
週刊ゴルフダイジェスト2025年4月22日号より