自宅でできる薄芝アプローチ攻略法<後編>ディボット跡、逆目、ベアグラウンド…難ライの対処法は?

春先はまだ芝の状態が整っておらず、難しいライからのアプローチを強いられることもしばしば。そんな状況でも、安定してアプローチを寄せられるように、パターマットを使ってできる練習法を小島謙太郎プロが教えてくれた!
PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/作州武蔵CC


解説/小島謙太郎
こじま・けんたろう。1988年生まれ。栃木県出身。ラウンドレッスンが好評なほか、曲打ちを得意とし、日本アーティスティックゴルフ協会会長も務める。ゴルフスタジオNIKKO GOLF BASE KOJIKEN主宰。日光CC所属
>>前編はこちら
- 春先はまだ芝の状態が整っておらず、難しいライからのアプローチを強いられることもしばしば。そんな状況でも、安定してアプローチを寄せられるように、パターマットを使ってできる練習法を小島謙太郎プロが教えてくれた! PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/作州武蔵CC 小島謙太郎 こじま・けんたろう。1988年生まれ。栃木県出身。ラウンドレッスンが好評なほか、曲打ち……
難しいライの対処法
――春といえば、やっかいなライのオンパレードですよね。薄芝やディボット跡は当たり前。上りの花道はエッジがいかにも引っかかりそうな逆目になっていたり、朝露で湿ったペタペタの芝やベアグラウンドだってあるかもしれません。
小島 そうですね。そういうややこしいライの場合は、打ち方にひと工夫を加えたいですね。やさしいアプローチの筆頭は、“先っぽ打ち”です。
――先っぽ打ち?
小島 SWのヒールを少し浮かせてトウ側で打ちます。接地面積が小さいのでダフる心配がないんです。さらに言うと、接地しなくても打てますよ。先で打つぶん距離は落ちますが、これも、慣れれば問題なしです。
――難しいライで役立ちそう。
小島 あとは“スライス打ち”や開いたフェースを閉じながら打つ“ネジ回し”も逆目に使える打ち方です。
練習②先っぽ打ち
ヒールを浮かせて先っぽでヒットする


「薄い芝やベアグラウンドなどの難しいライは、“先っぽ打ち”です。SWのヒールを少し浮かせてSWのトウ寄りで打ちます。地面との接地面積が小さいので、誰でもカンタンにダフらずに打てるワザです」
練習③スライス
逆目のライから高い球を打ちたい

練習④フック
順目のライから転がしていきたい

練習⑤ネジ回し
ザックリしそうな逆目から打つとき

逆目でピン近
そんな状況ではどうすれば?
――エッジが引っかかりそうな逆目で、しかもピンが近いときに使えるワザはありますか?
小島 春の湿った逆目は、ある程度ヘッドスピードを上げないとヘッドが抜けにくい。でも、速く振ると飛びすぎてしまう。そんなときは“引き打ち”です。
――引き打ち?
小島 インパクトした瞬間にヘッドを引いて、強くインパクトしても飛ばさないワザです。もうひとつ、 “抜刀術”と呼んでいる打ち方もあります。
――抜刀術って、日本刀のあの抜刀のことですか?
小島 そうです。イメージ的には斜め45度くらいの超大根切りで打って、フワッと球を浮かせていく、いわゆる“死に球”を打つワザです。
――僕らにも打てますか?
小島 どちらも簡単ではありませんが、家で感覚をつかんでおくと、春からコースで練習する楽しみが増えますよ。
Point
丸めた紙を弾くのと同じ感覚

練習⑥引き打ち
インパクトの瞬間ヘッドを引く

練習⑦抜刀術
斜め45度のけさ斬りで打つ

伸びのある転がりのいいボール
小島 パターマットを使ったアプローチ練習をいろいろ紹介しましたが、最後はパッティングの練習法です。
――寄せワンの仕上げは、パットですからね。
小島 おすすめするのは、2個のボールを打つ練習です。転がりのいいボールが打てるようになりますよ。
――ボールがきれいに横に並んだまま転がればOKですね?
小島 そう教えるプロもいますが、僕はトウ側のボールが先行するように打ってもらっています。パッティングもフェースはわずかにローテーションしているので、トウ側のボールが先に行くのが自然だと思うからです。
練習⑧パッティング
ボール2個を並べて打つ


「ボール2個を横に並べて打ちます。パッティングもイン・トゥ・イン軌道でストロークするため、トウ側のボールが先に転がっていくのが自然。これが、いわゆる転がりのいいボールが打てているかどうかの目安です」
週刊ゴルフダイジェスト2025年4月1日号より