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【通勤GD】芹澤信雄「1番ホールの木の下で…」Vol.25 スウィングの基本は「軸を作ること」 ゴルフダイジェストWEB

チーム芹澤の一員である西山ゆかりプロのキャディをした時のこと。見事初優勝(2015年/meijiカップ)を遂げ、ショット以上にメンタルやマネジメントが重要であることを実例をもって示した。では技術面の基本となるのは?

【通勤GD】通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。ワンテーマを3回~6回のシリーズでお届け。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。

芹澤信雄プロ
1959年生まれ。ジャンボ尾崎に「世界一パーパットが上手い」と評されたパットの名手。1987~2000年にツアー5勝。その後シニア1勝。飛距離優先時代をショットの質で生き抜く。チーム芹澤ゴルフアカデミー主宰。

マネジメントとメンタルが改善

西山君のキャディをしようと思ったのは、前回(NO.24)の通勤GDでお話ししたように、マネジメントやメンタルについて学んでほしかったからです。

彼女はショットのポテンシャルが高くて、未勝利なのが不思議なくらい。でもいいプレーをする日があっても結局どこかで崩れ、今年はベスト10フィニッシュがなかったんです。これは明らかにショットの技術以外に問題があるから。

僕がキャディをして3日間ついて歩けば、試合の中でどういう判断をして、どうゴルフを組み立てているのかがわかると思ったんです。マネジメントについても、合宿での練習ラウンドとは違った、より実践的な状況で助言できますからね。

その結果はなんと、堂々の優勝! ちょっとできすぎという気もしますが、毎日4つずつのバーディを奪ってのトータル8アンダーは立派です。僕がキャディについたことでマネジメントやメンタルが改善され、彼女の持ち味であるショットの精度をいい方向に発揮できたんだと思います。

スピーディに回転するには安定した軸が不可欠

ゴルフスウィングの話をするとよく「1軸か、2軸か」という話になります。一般的には背骨なり体の真ん中の1本の軸を中心に回転するというのが1軸論、テークバックで右サイドに軸を作り、インパクト以降は左サイドの軸に移るというのが2軸論と言われていますが、僕はその真ん中。

スウィングはレベルに回転することが大事だと思っているので、コマのように真ん中に軸がある1軸に近いと思いますが、テークバックでは右の股関節に、インパクト以降は左の股関節に乗って回転したいので、2軸に近い要素もあります。

感覚的には、左右の足の内側の幅の、太い1本の軸を中心に回転する感じでしょうか。あまり1軸とか2軸とか考える必要はありませんね。

ただ、この軸は地面に垂直に立っていてほしいと思います。ゴルフスウィングは前傾して行うので、軸を背骨などに意識しすぎると、前傾した軸に沿って回転するイメージになりがちです。

ですが、前傾した軸を意識しすぎるとどうしても動きが複雑になるし、アマチュアの場合、下半身が使えなくなる面があります。体への負担も大きくなるでしょう。

僕のイメージはあくまでも水平回転。とくに、腰や下半身をレベルに回転する感覚は重要です。この感覚を身につけるには、まずは、左右対称に素振りをするところからスタートするといいでしょう。

最初は前傾しなくても構いません。スタンス内側の太い軸をイメージしながら、クラブをビュンビュンと左右に振ります。そこに前傾をつけ、少しずつ振り幅を大きくしていったのがゴルフスウィングです。

軸が安定しないと左右で同じように振れませんし、スウィングが大きくなるにつれて動きにぶれが生じ、左右対称に振れなくなってきます。軸が安定すると、クラブの軌道、いわゆるスウィングプレーンが安定してきますから、球もまとまってきますし、距離も出るようになります。

アマチュアの方は、スウィングに行き詰まったらこの基本中の基本に戻ってみてほしいですね。

【通勤GD・今日のポイント】クラブの動きよりも体の動きを先に覚える

【ポイント①】左右の股関節にしっかりと乗る
テークバックでは右股関節にしっかり乗り、フォローでは左の股関節にしっかり乗る。これがきちんとできれば、スタンス内側幅の太い軸が安定し、スムーズに回転できる。

【ポイント②】トップで笑顔が作れるくらいリラックス
腕や体が力んでは軸は安定しない。トップで笑顔が作れるくらいリラックスしたい。鏡を見てポジションと笑顔を確認しながら素振りをしよう。

月刊GDより