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【飛ばし対談】奥田靖己×松本一誠<前編>自分の最適な“間”が作れれば、ヘッドスピードは簡単に上がる!

171cmで400Y飛ばす驚異のドラコンプロ・松本一誠にアドバイスを受け、ヘッドスピードが一気にアップしたという奥田靖己。飛ばしの極意をじっくり聞いた。

TEXT/Masaaki Furuya PHOTO/Yasuo Masuda

奥田靖己(右)……1960年大阪府出身。18歳でゴルフを始め85年プロ入り。93年の日本オープンを含むツアー通算6勝。シニア1勝。「ゴルフはつづくよどこまでも」連載中
松本一誠(左)……1992年神奈川県出身。小5でゴルフを始め杉並学院高卒業後、研修生を経てレッスンプロに。23歳でドラコン競技に出合い、すぐに頭角を現す。最長429Y

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クラブを効率よく使う動きを
徹底的に研究した

奥田  昨年、ヨコシン(横田真一)のYouTubeをチラッと見とったら、一誠くんが出ていて、この小さい体(171cm・67kg)で簡単に400ヤード飛ばすと言う。確かにこの人は力で飛ばしてない、ほかのドラコン選手と違うな、と興味を持って知人に会わしてもらったんです。

松本  僕がジムのマシンで走っているときに電話がかかってきて「オクダです」と。おくださん? 誰だろう、聞いたことある声だなと思っていたら「奥田靖己です」と言うので、すぐに外に出て(笑)。

奥田  11月にシニアの試合の練習ラウンドの日、練習場で見てもらいました。まず、タイプを調べるテスト。最初に軽いヘッドで一球打ったら「わかりました」と。

松本  98%くらいの人はヘッドが軽いクラブを渡すとHS(ヘッドスピード)が速くなるんですが、奥田プロは本当に珍しいタイプで。

奥田  HSが3m/sくらい落ちたもんね。

松本  はい。それで、奥田プロは重たいヘッドでシャフトを少し軟らかめにして、ヘッドをブーンと利かせて上手く使うタイプのスウィングだとわかりました。

奥田  昔からD9くらいのバランスのクラブでやってたからね。

松本 「飛ばし」を教えるときに、自分に合うクラブをタイプ別に分類できているということ、そこが一番大事です。そしてその後に、クラブの使い方を伝えたら、一発で伝えた通りにやっていただけて。計測器でHSを測ったら……。

奥田  43が49まで上がった。そのときにやったことはタイミングだけ。トップで待って、待って、待って、ブンと振る。この「間」ですわ。

松本 実は、上で待ってと言われて待てる人はプロでもアマでもほとんどいません。それもただ待つのと、「間」を持たせて待つのとでは違う。普段の僕のレッスンでも、この人はこのくらいの「間」だなというタイミング的なことがわかるので、「奥田プロ、もうちょっと。そこから一気です」という感じでアドバイスさせてもらいました。 

「最初に一誠くんの動画を見たとき、トップの『間』で飛ばしていると思った。力ももちろん要るんやろうけど、それよりもタイミング重視で彼は日本一になったんやろうなと。それが僕が惹かれたポイントですわ」(奥田)

奥田 そもそも、トップの「間」いうんは、ヘッドを感じるという、うちの流儀(橘田規、高松志門の流れ)では、なくてはならんもの。それが飛ばしにも共通することに興味を持ったわけです。今のような飛ばしのテクニックは、どうやって身に付いたの。

松本 僕の体形は日本人男性の平均くらい。世界大会に行くと、190cmや2m超えの人たちと戦わなければいけない。自分の強みは、クラブをいかに効率的に使うかと、リズム、タイミングという部分を突き詰めること。まずは知識を膨大に集めようと、国内外のプロの動画を見て勉強しました。

奥田 参考にした人は?

松本 最初は、テークバックが小さくて効率的に飛ばしている、T・フィナウ(193cm)やJ・ラーム(188cm)です。真っすぐ遠くに飛ばすことが僕の目標ですけど、ラームくらいデカくて、小さなバックスウィングで打ってて300ヤードというのが最強。でも、ドラコン競技で、僕の体格で今からやるには無理。それでマキロイです。彼は175cmですけど、余計なことをせずに、ピッと上げたものをリズムよく「受け止めて」、クルッと回っておしまい。それを見て、シンプルイズベストだなと思ったんです。

奥田 その通りやね。

JPDAのプロとして多くの試合で優勝。世界大会にも出場。自己最長429ヤード

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週刊ゴルフダイジェスト2025年2月11日号より