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【勝みなみ】衝撃のアマ優勝から5年。プレッシャーに強い、手先に頼らないスウィングに進化!

2109年シーズンのパナソニックオープンでツアー3勝目を挙げた勝みなみ。コンスタントに勝利を積み上げていく彼女の強さの秘密を、プロコーチ・中井学が読み解く。

強さの秘密は変えないこと

勝みなみ選手が、高校1年生でツアー優勝を遂げたのが2014年。それから5年が経ちました。スウィングの基本的な部分、体の使い方やリズム、テンポに大きな変化はありません。この「変わっ
ていないこと」こそが、彼女の強さの秘密と言えます。

2014年のドライバースウィング

彼女のように若くして結果を出した選手は、スウィングをいろいろと変えたくなるものです。しかし、そのような改造は最も大事にすべきフィーリングを失う危険があります。

その点、勝選手は1年を通じて闘い抜くための肉体的な改造を行いつつ、それによって変化するフィーリングを自分にアジャストしていく作業に専念してきたように感じられます。

2019年ドライバースウィング

その結果、手先の動きを抑えて体でクラブをコントロールするという、彼女本来のいい部分を残しつつ、より反復性の高いスウィングに進化させることができたのではないでしょうか。

ねじれを抑える10本指グリップ

手先の動きを最大限に抑え、下半身でリズム、テンポを作り出して、体で打つ。それが、勝選手の
最大の特徴と言えるでしょう。

このスウィングに大きく影響しているのが、テンフィンガーグリップです。基本的に、テンフィンガーのように両手の間隔を広げて握るほど、腕に“ねじり”が入ったときにフェースが大きく返ります。

2014年のドライバースウィング

つまり、スウィング中のわずかな〝ねじり〟が、フェースの向きに大きく表れるのです。すると、感覚の鋭いプレーヤーほど、フェースを返すことを抑えようとします。その結果、勝選手のように、手先の動きとフェースローテーションを抑えたスウィングになるというわけです。

2019年ドライバーショット

手先の動きを抑えてスピードを出そうとすると、自然に下半身をしっかりと使い、下半身でリズム、テンポを作り出すようになります。そして、下半身の大きな筋肉を主体にするほど、再現性は高くなり、プレッシャーのかかった場面でも、大きなミスが出にくくなるのです。

このねじれが少なく、プレッシャーに負けないスウィングが、彼女の勝負強さにつながっているのではないでしょうか。

【解説】中井学
なかいがく。プロコーチ。米国留学中から、独自に理論を構築。現在は、自らツアーに参戦しつつ、多くのプロ、アマチュアを指導する。

週刊GD2019年6月4日号より