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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.155「アプローチ練習で重要なのは“音”と“キャリー” 」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

練習場での練習について、こんな意見を聞く。

「何かネタがあるときはいいけど、ただ打つだけだと、すぐに飽きちゃう」

ネタというのは、課題だったり、試したい事柄のこと。「今日はこういうところに気をつけて練習しよう」とか「この前、教わったポイントを実践してみよう」とか何か目的があると、俄然練習意欲が湧くし、集中もできるので楽しい。

もちろん、球を打つだけでも楽しいという人も大勢いるけど、ボクもネタがあったほうがいいタイプ。ネタがないと、10球ももたない。だから、何かしら打ち方を工夫しているうちに、こんなふうになった(笑)。

飽きちゃう理由としては、ネタ以外にこんな声もある。

「打っていて、何が正解かわからない」

コースならわかるけど、練習場では何をもって正解か、判断できないというのだ。とくにアプローチは距離が短いので、よっぽどトップしたり、よっぽどダフったりしない限り、そこそこは飛ぶ。だから、余計に正解がわかりにくいのだとか。

当たった感触はイマイチだけど、狙ったところに打てていれば正解なのか? それとも、感触がよければ狙ったところに打てなくても正解なのか? と悩んでいるうちに、なんか面倒くさくなって、結局「ま、いっか」で終わってしまうというのだ。

そうだな~。当然、基準は人それぞれだと思うけど、アプローチの場合、個人的に大事にしているのはと“キャリーの距離”だ。

ボクはボールだけをクリーンに打つタイプなので、乾いたカツンという音が正解。キャリーの距離というのは、30Yやったら30Y、20Yやったら20Yのキャリーが打てれば正解。

練習場なのでランはどうでもいい。無視、無視。例えば、50Yを狙う場合。キャリー50Y+ラン2Y……これは正解。でも、キャリー48Yでランなし、スピンで止まってしまった……これはミス、と判断する。とにかく、狙った距離をズバリ打てるかどうか、そこを重視している。

アプローチ練習で意識するポイントは「音」と「キャリーの距離」。毎回同じ音、毎回同じキャリーが打てれば、うまく打てていると思ってよい

もちろん、ターフをとる打ち方の場合はカツンではなく、マットのシュッという音がするだろう。それならそれでぜんぜんOK。ただし、マチマチはダメである。連続して打ったとき、シュッの中にカツンが混じってはダメ。反対にカツンという音の人は、カツンの中にシュッが混じってはダメ、ということである。何度打ってもカツンならカツン、シュッならシュッで統一することを目指したい。

ちなみに、ボクのように「カツン」派は、インパクトの球離れが速いのでキャリーが少ない。一方、「シュッ」派はフェースにボールが乗る打ち方なのでキャリーが大きい。その辺も念頭にいれると、キャリーの距離を合わせやすくなるだろう。

この時期、なかなか思うように練習できない人もいると思うけど、晴れて事態が終息した日には、「音」と「キャリーの距離」に注目して練習してみてね。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2020年5月26日号より