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名手“ヨコシン”に聞く。バンカー内のイヤ~な状況はこれで解決!

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Hiroaki Arihara
THANKS/東名CC

ただでさえイヤなバンカーだが、そこにさらに悪条件が1つ加わると、難度がグンと増す。今回はなかでも「左足上がり」「左足下がり」「遠いバンカー」の3つの厄介な状況の対処法を、“ヨコシン”こと横田真一プロに教えてもらおう。

解説/横田真一
1972年生まれ。ツアー2勝の実績を持つテクニシャンで、40歳を過ぎて大学院で修士を取った勉強家でもある。YouTubeでも活躍中

<イヤなライその1> 左足上がり

「出ただけ」になる人は
右足体重の可能性が高いです

アゴ近くの左足上がりに止まってしまったボールは、上手く打ったつもりでも、キャリーが足りず「なんとか出ただけ」になってしまいがち。

ツアー屈指のテクニシャン横田真一プロに対処法を聞いたところ、そういう人は、右足体重であおり打っているのではないかと指摘する。

「こういう状況では、左足上がりの傾斜でロフトが増えるうえ、アゴが気になって右足体重でかち上げるようにスウィングをしがちですが、それではキャリーが出ません。左足上がりこそ左足体重で立って横からヘッドをぶつけるようにスウィングしましょう」

無理に上げようとしなくても、バウンスを使うためにフェースを開けば球は十分上がる。早めにリリースして右足前でクラブをさばくような感じでヘッドを走らせよう。

「ポイントは上からではなく横からヘッドを入れること。フォローは考えずに、手元を左太ももに打ちつける感じでスウィングしましょう」

Point1
フェースを開き左体重のままバックスウィング

Point2
早めにリリースして右足前でさばくイメージ

Point3
振り抜かず打って終わり

球を上げようとせず、終始左足体重をキープしヘッドをボール手前に横から入れる。打った後は左足に乗ったまま上体だけ左に向けるのがポイント

ヨコシン流! 左足上がりバンカー

左足体重で構えアップライトにバックスウィング。ダウンでは早めのリリースを意識してヘッドをボール手前に横から入れるイメージ。インパクト後は手を振り抜かず体だけ左を向こう


<イヤなライその2> 左足下がり

手首を積極的に使っていこう

バンカーショットで最も厄介な状況のひとつが左足下がり。ダフリもホームランもどちらもある難しいシチュエーションだ。

「左足下がりはまずは上から打ち込むことが大前提。ある程度の入射角がないと、手前の砂が邪魔でヘッドが上手く入っていきません。そこまではみなさんもイメージできると思いますが、左足下がりが苦手な人はただ打ち込んで終わりとか、手元ごとヘッドを低く出そうとしがち。そうではなくて、手首を使って右足前でヘッドを走らせるのがポイント。こうすると上から打ち込んでもバウンスが効いて、上手く砂を飛ばせるんです」

このときの手首の使い方は、ダウンスウィングでは左手でクラブを引き下ろしながら右手では引き上げるような感覚でコックを保ち、インパクト前後で右手首を手のひら側に折るように一気にスナップを効かせる。

「ボールをちょっと右に置き、手首を使ってそこにヘッドをドンと落とす。ポイントはちゃんとウェッジのソールから接地させることです」

Point1
右太もも前で手首を返す

ダウンスウィングでは右太もも前で手首を使って一気にヘッドを走らせる。右寄りに置いたボールの手前に上からソールをぶつけよう

Point2
インパクトで右手首を手のひら側に折る

コックを保って鋭角に下ろしてきたところから、手首を思い切って解放してヘッドを走らせる。このとき右手首を手のひら側に折ればバウンスが効いて刺さらない

Point3
手元を止めつつヘッドを低く出す

フォローではヘッドを低く出すが、手元ごと低く押し出すのではなく、手元は止めつつ手首を使ってヘッドだけ低く出していく

ヨコシン流! 左足下がりバンカー

左足体重でボール位置は右。少しハンドレートに構えてコックを使ってアップライトに上げる。鋭角なダウンスウィングから、右足前で一気にリリースし、手首を使ってヘッドを走らせよう

<イヤな状況その3> 「遠いバンカー」

アゴがなければ9番アイアンで“パター打ち”

最後は、ピンまで40ヤード以上あるような遠いバンカー。サブグリーンのバンカーに入れてしまったときなどに出くわす、困った状況だ。

「バンカーから40ヤード以上打ちたいときは3つの打ち方があります。アゴや障害物がなくてグリーン手前が使えるときは、9番アイアンをパターのように使って意図的にトップさせる打ち方。高さは出ませんが、ダフリにくく球が前に行くのでこれがいちばん確実。ただしアゴがある場合はトップ球ではダメで多少の打ち出し角が必要なので、9番アイアンなどロフトが立ったクラブでのエクスプロージョンがいいでしょう。でもこれもある程度ランが使えるとき限定です。バンカー越えなどのキャリーやスピンが必要な状況ではSWを選択し、左足体重でロフトを立ててエクスプロージョンする打ち方が有効。ただし難易度は高いので最後の手段だと思ってください」

<打ち方1> 9Iでパター打ち

ヒールを浮かせてボールはちょっと右

9Iのグリップが手のひらを斜めに横切るように持ち、パターのようにクラブを吊って構える。ヒールを浮かせ、ボールは右寄り

手首を使わずリーディングエッジで赤道を打つ

クラブを吊ってトウ寄りにセットしたボールの赤道やや下にリーディングエッジを横から当て、意図的にトップを打つ

ヨコシン流! 9Iでパター打ち

手首を使わずにパットの振り幅を極端に大きくしたようなショルダーストロークでスウィング。リーディングエッジがボールの赤道の少しでも下に入れば球が浮いてしっかり飛ばせる

<打ち方2> 9Iでエクスプロージョン

ボールを少し右に置きフェースを開いて構える

9Iのフェースを少し開きスタンスもややオープン。ボール位置は右寄り。クラブを短く持ち左右5対5でボール近くに立とう

“後ろなわ跳び”のように手首を使う

スウィングは通常のエクスプロージョンと同じ。手首を「後ろなわ跳び」のようなイメージで使うとヘッドがうまく走る

ヨコシン流! 9Iでエクスプロージョン

狭いスタンスでボールの近くに立ち、SWのときよりも小さく構える。振り幅はコンパクトにし、手首を柔かく使ってヘッドを走らせ、砂を前に飛ばそう

<打ち方3> SWでエクスプロージョン

左体重のままSWのロフトを立てて打つ

月刊ゴルフダイジェスト2021年5月号より