【フェアウェイを獲るドライバー】#1 難コース・日光CCで育まれた“フェアウェイキープ”の重要さ
スコアをまとめるには、当たり前だがドライバーを真っすぐ、フェアウェイの幅に収めることが大事。今回は競技に出てその大切さを痛感しているトップアマに、フェアウェイをキープするためのコツを聞いた。
TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Arakishin、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa、Tasanori Miki、Kosuke Mori THANKS/東名古屋CC、日光CC、乃万ゴルフ、千葉CC、一ノ割ゴルフセンター
※アマチュアのみなさんにはボランティアとしてご協力いただきました
●CONTENTS●
#1 フェアウェイキープの重要性
#2 ティーショットの7割は“直ドラ”!?
#3 グリップを変えたら曲がりが激減
#4 インパクトさえキレイなら形は関係ない
斎藤信一郎さん(53歳/HC0.8)
さいとうしんいちろう。21年より3年連続で日光CCのクラチャンを獲得。アスリートゴルファーを極めようと日々、研究に余念がない
菊池竜文さん(48歳/HC2.2)
きくちたつふみ。日光CCのメンバーとしてコースを知り尽くしている傍ら、千葉CCでは今年でクラチャンを2年連続で獲得している
距離は出なくても
フェアウェイにいることが大事
日光CCで21年から3年連続でクラブチャンピオンを獲得している斎藤信一郎さんと同クラブのメンバーの菊池竜文さん(こちらは千葉CCのクラチャン!)は、日光CCは特にフェアウェイに置くことが大事だと話す。
斎藤 ここは、フェアウェイが硬く、ゆるやかなアンジュレーションがあるので、狙い所を間違えるとすぐにラフに入ってしまう。気の抜けないホールしかないんです。そんな環境でプレーしていたおかげ
でフェアウェイキープの重要性を痛感しています。特に11番ホールはフェアウェイが馬の背になっていて着弾場所が“点”なんです。
菊池 そうですよね。同じフェアウェイでも『右だとピンが狙えない』なんてことも。だからこそピンポイントで打てる技術が日光では必要なんです。加えて、ラフに入るとすぐに木々が近くまでせり出ているので、ちょっとでも入ると前が開けていないことが多いんです。ラフに入ると、ボールにしっかりコンタクトさせることに集中してしまい、本来のスウィングができなくなってしまいます。
斎藤 フェアウェイに置けるとライの心配が減るので、280ヤード飛んでラフにいるより、250ヤードのフェアウェイにいたほうがスコアが作れるというわけです。
日光CC 11番ホール 455Y Par4
「フェアウェイは馬の背。ラフの上は松林がせり出ている」
通称「松の廊下」と呼ばれる11番はとくに難関ホール。フェアウェイ真ん中から馬の背になっていて、着弾場所が悪いとラフのほうに流される。またフェアウェイからすぐのラフの上に松林も迫っていて、ラフに入ると2打目で高さを出せない
フェアウェイが硬く、落ち際のアンラッキーもあるホールが多く狙い通り打てないとフェアウェイを捉えられない確率が高い。距離を重視するよりもフェアウェイはもちろん、2打目が打ちやすい場所を考えるようになったと斎藤さん
斎藤さんの1Wスウィング
菊池さんの1Wスウィング
いつもと違うことをして
平静を保つ
斎藤さんは曲がる原因を「メンタル」だと分析。
「球を曲げたくないとか、しっかり打ちたいと思うと無意識に力が入りいつも通りのスウィングができなくなる。さらに私は、同伴競技者のスウィングなどを見すぎてしまう傾向もあって、邪念が多くなってしまうんです(笑)。そんなときは、普段と違うことをして気持ちを切り替えて、自分の世界に戻るようにしています。オススメは手を水で冷やす方法。ペットボトルの水でもコースにある蛇口でもなんでもいいですが、手を濡らすことで気分がリセットされます。あとはポジティブな言葉をぶつぶつつぶやきます(笑)。練習場ではいい調子なのにコースではだめという方は試してほしいです」
斎藤さんのメンタル術
【斎藤さんの工夫1】水で手を冷やす
気持ちが落ち着かない時はペットボトルの水や、蛇口の水などを手にかけて冷やす。気持ちを切り替えるために、何か違う刺激を体に与えることで、頭の中がリセットされる
【斎藤さんの工夫2】打つ直前までポジティブな言葉を口に出す
「人のことを見て気にしてしまった後は、自分の世界に戻るために打つ直前まで“いい球打ちたいな~”みたいな、ポジティブな言葉などを口に出すようにしてます」
【斎藤さんの工夫3】あえてギュッとグリップしてみる
いろいろ考えすぎてしまうと、体や気持ちに力みが生まれリズムが狂いやすい。そんなときは打つ前に、あえて力をギュッと入れその後解放することで全身をリラックスさせる
菊池さんは素振りを工夫
【菊地さんの工夫1】左ベルト引っ張り素振り
練習と同じように振るために、自分の正しいスウィングを取り戻す素振りを実践。「切り返しで体が突っ込んでしまうのが悪い癖なので、下半身から動き出すために左のベルトを引っ張った素振りをしてます」
【菊池さんの工夫2】左足踏み込み素振り
切り返しで左サイドにステップをするように左足を踏み込んでスウィング。意識が左足にいくので、自然と下半身から動けるようになる。上半身は下半身につられて動く程度でOK
【菊池さんの工夫3】胸残し素振り
素振りでは極端にやらないと意味がないと菊池さん。「切り返しでは最後に上半身が動いてほしいので、フォロー以降でも胸を右に残す素振りです。フィニッシュで逆Cになるイメージ」
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月刊ゴルフダイジェスト2024年12月号より