【競技ゴルファー・タニシゲ】Vol.19「絶対沈めたいパット…無意識に前傾が深くなっていた!」
少しのミスがダボに直結してしまうパー3。谷繁の苦手攻略に前回青木が授けたのはマネジメントやティーアップのテクニック。ベテランの谷繁がまさかティーアップの高さを直されるとは……。ポジティブに考えれば、まだまだ伸びしろがたっぷりということ。今回のレッスンもパー3の続き。
PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/立野クラシックGC
アプローチで得た技術を
すかさず応用
谷繁 ティーアップの高さが合っていないから打点が揃っていなかったなんてびっくりでした。
青木 夏は芝が伸びていますからね。浮き芝だってパッと見はわかりませんから、視覚だけに頼らず五感をフルに生かしましょう。
谷繁 野球のときはできていたのにー(笑)。そんなことを言っていたら急に風が強くなってきた。あ、今度は止んだ……。
青木 競技の時によくあるシチュエーションですよね。風が舞っていて読めない。
谷繁 あるある。
青木 そんなとき、1つの番手で距離を打ち分けられたら便利なんです。6番なら6番でフルショットせずに「トン」と打つとか、低い球で風の影響を受けないようにするとか。
谷繁 難しいじゃん(笑)!
青木 谷繁さんならできます! 今度は打ち下ろしじゃないパー3に移動しましょう。
谷繁 何だかアゲンストの風が吹き始めたな。155ヤードのアゲンストなら7番か6番。ピンはグリーン奥に切ってあるので、前から攻めるとして7番。オーバーは頭から消します。
青木 前回、打ち下ろしのパー3のときはキャリーでしっかり合わせて、手前のバンカーの意識を消してと言いましたからね。このホールでは奥を消したんですね、いいと思います。
谷繁 で、低い球で攻めたら、狙い通りの位置にナイスオン。打ち方はアプローチレッスンで習った“あの技術”を使ってみた。ボール位置をやや右に、そして吊り気味に構えて打つというもの。
青木 ハマりましたね。
谷繁 アレ、使えるね。同じ距離を出すアプローチでも、さまざまな方法があって自分がやりやすい方法をセレクトすればいいと習ったけど、それがパー3のティーショットにも応用できた。僕には合ってる。使えるなと思いました。アライメント技術と吊り気味に構えるやり方と、うまくつながってきた。
青木 アプローチレッスンで得た技術をティーショットにも応用した谷繁さんはさすがです。では、次はグリーンに行きましょうか。
得意のパットに
落とし穴!?
谷繁 パット、得意だよ♪ 冬に受けたレッスンではパッティングも振り子運動を意識する、あとフォロースルーは短く、と指導を受けました。
青木 10メートルほどのロングパットを打ってもらいましたが、距離感・方向性ともピタリでした。何球か打つうちに、ショットのときと同じく右肩が出てしまいましたが、おおむね問題なし。というか上手い。しかし! 距離を3メートルほどに変えて打ってもらったら、気付いてしまいました。
谷繁 驚きましたよ。いきなりキャップのてっぺんをギュッて持ち上げられたから。
青木 谷繁さん、すごく前傾が深くなっていました。
谷繁 もちろん自分じゃ気付いていない。
青木 大事なパットのとき、ボールと目を近づけようとして前傾が深くなることがあるんですよ。
谷繁 車の運転で、子どもが多いエリアを走るときなど「注意しなきゃ」って前傾しちゃう人いるもんね。普段の姿勢のほうが見やすいのに、ついそうなる。パッティングでもそんなことが起きているなんて知らなかったなあ。
青木 うん、教えていませんから(笑)。
谷繁 翔くん、僕に隠していることまだあるの!?
青木 あはははは。でも、谷繁さんのパットは心配していません。それよりはアプローチの精度を上げて、厳しいパーパットをなるべく少なくするようにしてほしい。入れごろ外しごろの距離を何度か外すとダメージが思いのほか大きいです。
谷繁 メンタルも消耗するもんね。「ダメージ」で思い出すのは、元広島・阪神の金本知憲さん。金本さんはファーストストライクをほとんど振ってこない。なぜかというと、投手のウイニングショットを打ってダメージを与えたかったからって言うのよ。これには「さすが金本さん!」と思ったね。
青木 ウイニングショットを打たれるとダメージやショックが大きいですよね。今後の対戦にも影響が出そう。
谷繁 それが金本さんの狙いだもん。でも、そういう超一流の選手との駆け引きは、本当に面白かったし「捕手谷繁」を成長させてくれたと思う。
青木 そして、このレッスンが「競技ゴルファー谷繁」をどんどん成長させていることを願います。
谷繁 何かシメに入ってきたね。でも、いよいよ本番モードだなあ。最後、もう1回アプローチの確認させて。あと、翔くんとの1ホール対決もよろしく。
青木 いいですよ。高校野球での試合直前の7分間練習みたいな感じで行きましょう!
机で勉強しているとき、先生や親にによく言われた「目が近いよ」。まさかグリーンで言われるとは
週刊ゴルフダイジェスト2024年9月3日号より
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