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【競技ゴルファー・タニシゲ】Vol.14 ドライバーで目標に真っすぐ構えていたつもりが…

日本ミッドアマチュア選手権への第一関門・関東ミッドアマチュア選手権の予選を控える谷繁元信。舞台は真夏の鳩山カントリークラブ(埼玉県)。暑くて熱い戦いまでひと月余り。連載再開1回目は、青木翔による谷繁の仕上がり具合チェックから。

PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/立野クラシックGC

谷繁元信 1970年広島県生まれ。88年ドラフト1位で横浜大洋ホエールズ入団。02年中日ドラゴンズに移籍。14、15年はプレーイングマネジャー、16年は専任監督。通算3021試合出場は日本記録、捕手として2963試合出場は世界記録。ベストスコア67
青木翔 1983年福岡県生まれ。2017年渋野日向子を全英女子オープン優勝に導いたコーチ。2020年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。ジュニアから一般アマチュアまで幅広く指導。「六甲国際ゴルフアカデミー」校長

前回のお話はこちら

練習場のマットの罠!
まんまとはまってた(笑)

青木 さあ、連載再開です。関東ミッドも近づいてきましたが、調子はどうですか?

谷繁 ちょっと緊張してきているんですよ。

青木 そんなふうには見えませんけど。緊張とかするんですか?

谷繁 前も言いましたけど、甲子園で5万人の前で野球をするのと、ゴルフの試合は別の緊張感があるんです。

青木 「大丈夫かな」という不安感から来る部分が大きいんでしょうね。でも、今回は練習はバッチリなんですもんね?

谷繁 それが仕事が忙しくて……。

青木 いやいや、出張先に練習用のグリップを持参していたそうじゃないですか。

谷繁 そうそう、青木さんにグリップを直されたでしょ。ラバー部分が見えないよう、覆いかぶせる握り方に。違和感がすごかったので、解消すべく練習場やコースに行けない日もグリップの感触は忘れないように心がけていました。やっとなじんできたところです。ただ、ラウンド中、不安になってつい昔に戻したくなる自分もいる。でも、そこはグッと我慢しています。

青木 いいですね。まずは練習場でその成果を見せてもらいましょう。グリップはなじんできたとのことですが、気になっている点は?

谷繁 アライメントです。練習場では真っすぐ立てていると思うんですが、コースに行くと、定まらないんです。自分の持ち球もあるし、ティーイングエリアのどこに立つかとか、いろいろ考えているうちに、違うほうを向いてしまうことがあるんです。

青木 アライメントですね。谷繁さんだけでなく、すごくいろんな方から聞かれます。これがね、意外とね……簡単なんです。

谷繁 ほんとに(笑)? まずはドライバーから見てもらいたいんだけど、ドライバーのアライメントはちょっとズレると大変なことになっちゃうから慎重に構えたつもり。狙いは、練習場のネットの真ん中とその隣の柱の間だったので、そう宣言して構えたら「待った」がかかっちゃった。

“真っすぐ”を誤解していた!

青木 はい。すごくズレていたので。ズレた理由は簡単。練習場のマットにだまされていたんです。マットの切れ目のラインと平行にスタンスを取り、肩も合わせていました。そのときからズレていたんです。

谷繁 マットのせいじゃん(笑)。

青木 あと、打席の仕切りの板と平行に構えてしまう人もいます。海外のプレーヤーだとそういう話は聞かないので、確かに日本の練習環境から起こるミスとも言えますが、日本ミッドを狙う人がマットに惑わされるようじゃダメです。本番では、ムズムズするようなティーマークの向きとかありますよ。

谷繁 あるある。

青木 ティーショットだけじゃなく、2打目になるとフェアウェイの芝の刈り目に惑わされることも。とにかくコースには罠がいっぱいなんです。そういった罠にひっかからず“自分の真っすぐ”を探すんです。

谷繁 そっか。みんな持ち球も違うし、みんなそれぞれに真っすぐがあるっていうことか。

青木 そうです。谷繁さんはカットに打つタイプですが、それを小さめにしたいので、スタンスは少しクローズでいい。

谷繁 右を向いて少し左めに打てばちょうどいいんだ。

青木 谷繁さんが真っすぐ向いて真っすぐ打とうとすると、あおり打ちになってしまいます。

谷繁 なるほど!

青木 そして、谷繁さんがさっき打ったときですが、「真ん中とその隣の柱の間を狙う」と言ってそっちを向いたでしょう。そうじゃなくて、球の打ち出し方向を決めてそちらを向く、谷繁さんはカット打ちだから、そこからさらにちょっとクローズスタンス。それでOK。そうやって出球を揃えていくんです。

谷繁 “真っすぐ”を誤解していたな。プロが同じところから打つのでも、向いている方向はめっちゃ違ったりするもんね。持ち球、曲がり幅、みんな違うもんね。ああ、そういうことね。わかった。アライメント、前回のレッスンでかなり習ったけど、まだまだ発見があるなあ。

青木 伸びしろがあるっていうことです。

谷繁 よーし! って関東アマまであと1カ月ちょっとだけど、チェックポイントいくつあるだろ(笑)。

青木 そういえば、さっき、ゴルフダイジェストの記者さんが言っていましたが、関東ミッドの谷繁さんのエントリーナンバーが「75」だそうですね。

谷繁 え、そうだった!?

青木 僕が最初に谷繁さんと会って話したとき「谷繁さんなら、関東ミッドの決勝で3日間『75』を並べられる」と言いましたよね。

谷繁 あっ。

青木 フラグが立ちました。「75」を並べて、日本ミッドに行きましょう!

谷繁 いやいや、翔くん(笑)! まずは鳩山での予選、第一関門通過が大事なんですってば。

練習場の2枚マットの切れ目、打席の仕切り板など平行に立って「アライメントOK」と思っていませんか?

週刊ゴルフダイジェスト2024年7月23日号より

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