Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 【トップアマの飛距離アップ実録集】#2「“ヘッドが走る”クラブの使い方を追求」

【トップアマの飛距離アップ実録集】#2「“ヘッドが走る”クラブの使い方を追求」

ゴルフは飛距離じゃないと言うけれど、「やっぱり、もっともっと飛ばしたい!」というのがゴルファーの本音。そこで今回は、今もなお飛距離が伸びている8名の競技アマに飛ばしの秘訣を教えてもらった。

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroaki Arihara、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa THANKS/森林公園ゴルフ倶楽部、ゴールド佐野カントリークラブ、富士カントリー笠間倶楽部、BAY GOLF CLUB、長津田ゴルフガーデン

●CONTENTS●
#1 「ボール位置を変えただけで飛ぶ弾道に」
#2 「ヘッドが走るクラブの使い方を追求」
#3 「切り返しで手元を遠くに下す」
#4 「クラブを短くしたらスピードアップ」
#5 「トップをコンパクトにしてスピン減」

ヘッドを走らせる
クラブの使い方を試行錯誤

飛距離の3要素(初速、打ち出し角、スピン量)のうち、初速だけは「速ければ速いほど」飛ばしに有利になる。そのためには、ヘッド速度を上げる必要がある。飛距離の出る人に共通するもの、それは当然ながら「ヘッド」の速さ。逆に飛ばない人は、手や体を速く動かせても、肝心のヘッドが速くないことが多い。

植田悠斗さんは、スポーツ経験豊富で初心者の頃から240ヤードは飛んでいたというが、力任せのスウィングから、あるとき「もっとシャフトをしならせて、先端を速く振ればいいのでは」と開眼し、現在は270ヤードまで飛距離が伸びた。

木名瀬和重さんは、独自の素振りトレーニングを続け、「自分はもっと速く振れる」と脳にインプットすることで、何と310ヤードまで飛距離を伸ばしたという。ヘッドを速く振るのに必要なのは、自分なりのコツをつかむことと、「当てよう」という意識をなくすこと。2人の体験を参考にしよう。

うえたゆうと。20歳からゴルフを始め、わずか5年でベストスコア71を出す。競技で成績を残すため、今は週1以上の練習を欠かさない

ゴルフクラブは釣り竿と一緒

釣りが趣味の植田さん。クラブを釣り竿に置き換えることで、先端を走らせるイメージが湧きやすかったという。いかに全体をしならせられるかがカギだ

Point 1
右ひじを体につけて下ろす

「右ひじを体にくっつけたまま下ろせると、ヘッドが遅れてきて、インパクト直前までリリースのタイミングを遅らせられます。切り返しからは右ひじが地面方向を向くイメージ。右わきが空くと、ヘッドが先に下りてタメがなくなります」

Point 2
胸を回転させて振り下ろす

「切り返しで手はそのままにして、まず胸を回すと、腕とクラブが遅れてクラブのしなりが作れます。それでインパクトに向かって先端が走る。ただ、腰が早く開きすぎると振り遅れてスライスになるので注意です」

【ココに注意】
グリップを握りすぎるとムチのように使えない!

「右手の人さし指と中指は添えているだけの感覚」と植田さん。インパクトでは瞬間的に強く握るが、アドレスや切り返しなどそれ以外の部分ではできるだけゆるく握るほうが、シャフトをしならせられる

植田悠斗さんの1Wスウィング

「肩がしっかり入った大きなトップが特徴的。そこからダウンスウィングで左ひじが伸びた状態で下ろせているので大きなスウィングアークで遠心力を使って振れています」(スウィング解説:大西翔太)

きなせかずしげ。経営する「クラブ工房・キナセ」ではフィッティングだけでなくスウィングのアドバイスも行う。茨城を代表するトップアマ

「速く振れる」を脳に記憶させる

全力で振った経験がないと、脳はそのスピードを再現できない。速い速度で「振れる」ということを脳にインプットしてはじめて、本当に速く振ることができる

Point 1
右手は左手の上をできるだけキープ!

「リリースタイミングを遅らせるほど、インパクトでヘッドが走ります。そのためには、右手首の角度を変えずに下ろし、“右手が上”の状態をできる限りキープすることが大事です」

Point 2
グリップエンドを遠くに動かす

「切り返してすぐ、手元をボールのほうに引くと右手のタメはできません。体から遠ざける感じで飛球線後方に引っ張ると、インパクト直前までタメを維持できて、最後に右手を解放できます」

Drill
軽いクラブ→重いクラブでHSアップ

【STEP1】
軽いクラブで全力素振り

最初に軽いクラブを全力で6回振る。木名瀬さんは、ビニールパイプにグリップを挿したものを使用。素振り練習用に市販されている「棒」などでもOK

【STEP2】
重いクラブで全力素振り

次に重いクラブで全力の素振りを6回。その後、もう一度軽いクラブで6回、全部で18回素振りをする。スピード感覚と筋力をダブルで上げていくドリルだ

【ココに注意】
インパクトを意識するとスピードが落ちる

速く振ることを第一に、インパクトで「どう当てようか」などは考えないこと。インパクトを意識した瞬間に、スウィングスピードは確実に落ちる

木名瀬和重さんの1Wスウィング

「切り返し以降、右肩が前に出ず、胸の面が右側を向いた状態をキープしているのが素晴らしいです。左への突っ込みが少ない、スピン量が抑えられたスウィングです」(スウィング解説:大西翔太)

月刊ゴルフダイジェスト2024年10月号より