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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.134「パット練習は4時間でも5時間でも続けられます」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

『秋深き隣は何をする人ぞ』

ご存じ、松尾芭蕉の有名な句。もの寂しい秋の夜、隣の部屋はやけに静かだけど、いったい何をしているのだろう……と読み解くらしい。

秋の夜長にやること。ボクが想像するならば、それはパットの練習だ。

よく「パットの練習は単調なので飽きる」という人がいるが、ボクは4~5時間は余裕で続けられる。確かに動きは地味だが、まったく単調なんかではない。

以前、国体に出たとき。トップスタートだったボクは最終組の仲間を待っていなければならず、その間ずっと練習グリーンにいた。日没近くになって上がってきた彼は「今日、入らなかったん?」と心配そうに言ったが、そうではないのだ。調子がよかろうが、悪かろうが、ボクはそこにいただろう。もはや、条件反射みたいなもんやな。

右手で上げたらどうなるか。左で上げたらどうなるか。両手で上げたらどうなるか。アウトに上げたらどうなるか。インに上げたらどうなるか。ゆるゆるに握ったらどうなるか。指が白くなるぐらい強く握ったらどうなるか。ゆっくり上げたらどうなるか。テークバックしなかったらどうなるか……試したいことをリストアップしたらきりがない。今号だけでは行数が足りず、次号まで引っ張れそうだ。

そりゃ、ただ単に打つだけだったらボクだって10球で飽きる。でも、いろんな方法で打ち、それを動画に撮り、チェックし……なんてやってると4時間なんてあっという間だ。

カップに入るか、入らないかはどうでもいい。機械のように正確無比なストロークを身につける練習ではないから。ボクにとっての練習とは、自分にとって、どの打ち方が上げやすくて、スムーズにストロークできるか。それを研究すること。

「テークバックからインパクトまでボールを見続けなさい」。そんな約束ごとは無視。もし、右を向いたほうがストロークしやすければ、そっちを採用したらいい。目をつぶったほうが心地よくインパクトできるなら、それが一番だ。

今、そんな人いるか! って思ったでしょ。でも、こればっかりはやってみないとわからない。やってみて、ダメなら、やめればいいだけ。まずは、試す。これが大事。だと思う。ほらほら、ノーベル賞級の発見も、意外なことから生まれたりするじゃない。そんな感じよ。

ボクは自分であれやこれや試し、それを動画に収めたものが100本近くある。全身だけでなく、手元のアップや、フェースのアップなども撮っているから100じゃきかないかもしれない。それを飛行機や新幹線の移動の際、ビール片手に、観る。ときにPGAツアーの選手と見比べたりしながら。そうすると、これまたあっという間に目的地に着く。スマホがあれば、どこでもドアなんていらないな(笑)。

そんなわけで、みなさんも秋の夜長は、ぜひパッティング練習を!


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年12月3日号より