幡地隆寛・進化の秘密<アイアン&アプローチ編>右わきにモノを挟む練習法は効果絶大です
3月のニュージーランドオープンで優勝すると、5月の関西オープンも制するなど、今季ブレーク中の幡地隆寛。後編では、アイアンとアプローチの気づきについて教えてもらった。
PHOTO/Yasuo Masuda、Hiroyuki Okazawa THANKS/横浜CC、関西オープンゴルフ選手権競技2024
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- 3月のニュージーランドオープンで優勝すると、5月の関西オープンも制するなど、今季ブレーク中の幡地隆寛。進化のポイントについて、本人を直撃! PHOTO/Yasuo Masuda、Hiroyuki Okazawa THANKS/横浜CC、関西オープンゴルフ選手権競技2024 幡地隆寛 はたじ・たかひろ。1993年生まれ。広島県出身。東北福祉大学4年の2015年にプロ宣言。188……
右手が前に出る悪いクセを修正
――幡地プロはパーオン率も大きく向上していますね。アイアンショットで、自分で進化したなと感じているところはどこですか?
幡地 僕はプレッシャーがかかると利き腕の右手が出てくるクセがあるんです。
――フェースがかぶる?
幡地 本能的にフェースの向きをスクエアに戻すんですが、ロフトが寝て距離も方向もバラついていました。
――なるほど。
幡地 この春、中島啓太選手が右わきに短いスティックを挟んでいるのを見て、自分でも試してみたんですよ。そうしたら、右手が前に出るクセを封じ込めてくれたんです。
――確かに、右わきが締まっていれば、右ひじを外に向けては打てませんね。
幡地 このインパクトが手に入ってから、アイアンの精度が上がりました。いまでは、この練習はスタート前とラウンド後の必須メニューですよ。
Point
右ひじを下に向けてインパクトする
「アイアンで重要なのは、インパクト時のフェース向きとロフトです。ここが安定しなければ、狙ったポイントには打てません。カギを握るのは右腕の使い方です。右わきを締めて、右ひじが少し曲がって下を向いていることが必要。体と右腕が一体化する感覚で動かせれば、ショット精度は格段に上がります」(幡地)
右わきを締めたまま、ひじを下に向
けて下ろすとフェース面が安定する
右わきが空いてひじが外を向くと、
フェースの向きも変わってしまう
ここも進化!
マイナス10Y、マイナス20Yの距離感を磨いた
正確なアイアンを打つためには、距離を余らせてピンを狙うことが鉄則。たとえば8番アイアンのフルショットでキャリー170ヤードの幡地は、マイナス10ヤード、マイナス20ヤードの距離感を徹底的に磨いたという。距離を抑えていくにつれて構えが小さく、振り幅も小さくなっていく
Drill
右わきにモノを挟んでハーフショット
「僕の場合はスティックのカバーですが、右わきにタオルなどを挟んで、ハーフショットでボールを打ちます。右腕と体の一体感が出て、右ひじを下向きにしてインパクトする感覚が自然に身に付きます」
アプローチはハンドファースト
じゃないほうがいい?
――関西オープンでは、ピンチの場面を絶妙なアプローチでしのいでいましたね。確か以前はアプローチが得意ではないと言ってましたが…。
幡地 もっとも進化したのはアプローチかもしれません。僕も前はそうだったんですが、アプローチってハンドファーストに打ちますよね。
――そう言われていますね。
幡地 でも、僕の感覚は違ったんですよね。もともとバンカーショットが得意で、バンカーのようにヘッドを出していくロブが好きだったんです。
――ヘッドを出していく?
幡地 そうです。ハンドファーストに打とうと手元を出していくと、インパクトで緩む感覚があってフェースに上手く乗らない。でも、ヘッドを加速させるように出していくと、フェースに乗ってくれて距離感も出るんです。
――新しい気づきですね。
幡地 そうなんです。この感覚に気づいてから、アプローチが変わりました。
――では、低く出したり、転がしていきたいときは?
幡地 打つ感覚を変えずに、PWや9番を使います。
ヘッドを出すとソールが滑る
「アプローチをハンドファーストに打つプロは多いですが、僕は違います。ラフからのアプローチやバンカーショットのようにヘッドを出していくほうが、ソールが滑ってくれるんです。この感覚を磨いてから、寄せワンを取る確率が上がりました」(幡地)
Point 1
インパクトを意識せずヘッドを出していく
ハンドファーストに打とうとせず、ヘッドをリリースする感覚で振ると、ソールの抜けがよくなるという。シンプルな打ち方なので、距離感も合いやすい
ショットのようにハンドファーストをキープすると、ソールの抜けが悪くなることがある。距離感も出にくいので、幡地はこの寄せを使わないという
Point 2
左右対称に丸く振る
幡地の動きを細かく見ると、ボールを体の真ん中に置いて、狭いスタンスで完全振り子のイメージで振っている。手先でインパクトを作ろうとしないで、左右対称に丸く振ると上手くいくという
Point 3
構えたところに手元を戻す
「アドレスでハンドファーストにせず、シャフトを真っすぐにして構えます。インパクトは、構えたところに手元を戻す感覚でOKです」
週刊ゴルフダイジェスト2024年7月23日号より