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【宮本香怜のロブ講座】<前編>「ロブショットはドライバーショットと同じなんです」

2024年度のビューティクイーンに選ばれた宮本香怜は州立ワシントン大学ゴルフ部出身でティーチングプロのライセンスを持つ。そんな宮本に、ロブショットを成功させるためのポイントについて聞いてみた。

PHOTO/Shinji Osawa

解説/宮本香怜 みやもと・かれん。1998年生まれ、千葉県出身。埼玉栄高校を経て州立ワシントン大学へ留学。2020年に卒業し、帰国後ティーチングプロライセンスの「USGTF LevelⅢ」を取得。現在、東京千代田区のGatee Golf Studioでレッスンを行う

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ヒンジの姿勢で構えよう

ロブショットはグリーン周りで打つケースがほとんどですよね。ラウンドレッスンなどでアマチュアの方とご一緒すると、ピンが近いせいか、フェースを開いて構えた後、手先でシュッと打とうとしている人を多く見受けますが、やっぱり手先で打つと成功率は低くなります。

私は、ロブショットを打つ時はアプローチではなく“ショット”だと考えています。だから、立ち方はドライバーショットと同じ。一番大切にしているのは、骨盤を前傾させる“ヒンジ”の姿勢で立つこと。ヒンジとは開閉するドアの蝶番(結合部分)が由来で、トレーニング界で良く使われる用語です。腰の部分をヒンジに見立て、お尻を吊り上げて骨盤を前傾させる体勢が、一般的にヒンジの姿勢と呼ばれています。

骨盤を前傾させて、股関節を中心に上半身を回転させられる姿勢で構えること。これはそのままドライバーやアイアンのアドレスと同じで、これがロブショットを成功させる最大のポイントだと考えてください。そして、骨盤を前傾させたまトップまで回転した時に、そのままスクワットができるかどうかが次のポイントです。最初はクラブを持たず、構えからトップまで確認してみてください。

骨盤が立ってしまうとスクワットが上手くできない

ヒンジの姿勢をキープして回転

フェースを正しく開けてますか?

アマチュアの方を見ていると、普通に構えた後にフェースを開こうとしている人が多くいます。この順番でやってしまうと、気付かないうちにハンドファーストのアドレスになりやすく、そうなるとロフトが立った状態で当たりやすく、リーディングエッジから芝に入るためヘッドの抜けが悪くなります。

それを防ぐために、体の前でフェースをクルッと開いてから、自分のグリップで握る一連の流れを作ってください。また、ソールを滑らせようとして過度にハンドレイトに構える方もいますが、シャフトの傾きは(正面から見て)真っすぐ90度で十分です。フェースを開いているので、ソールは必ず滑ってくれます。ボール位置はセンターよりもボール1個分左寄り。この位置で構えれば、自然とシャフトの傾きは真っすぐになります。

もうひとつ、テークバックした時に、フェースが開いた状態で振るのを怖がってか、クラブを上げながらフェースを閉じてしまう人も多くいます。トップでフェース面が自分のほうを向いているのが正しいポジション。確認してみてください。

ボール位置はやや左足寄り。体の正面でフェースを開いてからクラブを握り、シャフトが垂直になるようにセット。自然とソールが滑る構えになる

構えてからフェースを開くとハンドファーストになりやすい。シャフトが傾くので、刃が刺さりやすい状態になる

トップでフェース面が自分のほうを向けばフェースがしっかりと開けている証拠。フェースが正面を向いていると閉じている

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週刊ゴルフダイジェスト2024年6月11日号より