【アプローチ】「キチンと前に飛ばせること。これが大事」。今野康晴プロの3打目勝負ウェッジレッスン③
計算された3打目をいかにカップへ近づけるか。そのためには、「打ち方とウェッジとがマッチしている必要がある」というのが前回までのレッスン。今回はスコアに直結する正しい打ち方を、ツアー7勝を挙げたアプローチの名手・今野康晴プロに聞きました。
【解説・指導】今野康晴プロ
岐阜県出身。ツアー7勝の実力者。現在はアマチュア向けのレッスンにも取り組む
ウェッジの精度アップはスコアに直結
今野 ウェッジはロフトが大きくて、基本的に球を上げるのはやさしいクラブ。このウェッジで球をきちんと前に飛ばすことができると「正しいボ ールのとらえ方」が身につきます。これができると、ロフト52度くらいのAWの飛距離が伸びますし、56度、58度といったSWで普通に打ってもスピンが入って止まるようになるんです。
今野 ボール位置は真ん中から右寄り、やや左重心で手元は左ももの内側。ハンドファーストの意識で構えて、インパクトでも、その形になるよう振る。自分に合うウェッジが決まれば、こういう打ち方がやりやすくなるんですよ。
ハンドファーストで4度くらいロフトが立つ。これが正しいボールのとらえ方
今野 ロフトが4度くらい立って、ハンドファーストにインパクトする。そのように正しくとらえると、ボールがつかまってしっかり押し込めるし、低めに飛び出しながらスピンがしっかり入って止まります。
こんな打ち方ではきちっと前に飛ばせない
すくう動きになっている
今野 距離に応じたロフトを選んだつもりでも、なぜか手前にポトリ。そのわけはハンドレートでロフトが寝て当たっているからです。
手首をこねている
今野 右手首が伸びてヘッドが早く落ちると手前の芝を食うしロフトがついてしまう。スピンがかからず距離も出ないし、スピンも入りません。
フェースを開いてカット軌道
今野 開いて構えてカットめに打つという動きをやりすぎて、球が飛ばずにショートしている人もよく見かけます。
女子プロたちの3打目調査
この距離に自信があると、ゴルフの幅が広がる
勝みなみプロ
50Yは58度のハーフ。この距離は自信があります
50度/RTX4 ブラックサテン(クリーブランド)
54度/RTX4 ブラックサテン(クリーブランド)
58度/RTX4 ブラックサテン(クリーブランド)
永井花奈プロ
100Y以内のフェアウェイにおいて、そこから狙う攻め方を考えます
48度/プロトタイプウェッジ(ヤマハ)
50度/ボーケイSM7(タイトリスト)
58度/TW-W(本間ゴルフ)
河本結プロ
58度で上げる、低く出すなどいろいろやります
48度/マックダディ フォージド(キャロウェイ)
52度/マックダディ フォージド(キャロウェイ)
58度/マックダディ フォージド(キャロウェイ)
福田真未プロ
50Y以内が苦手なので65Y以上残すように考えます
48度/ボーケイ フォージド(タイトリスト)
52度/ボーケイ フォージド(タイトリスト)
58度/ボーケイ フォージド(タイトリスト)
エイミー・コガ プロ
グリーン周りの9割は58度でまかないます
50度/TJ PROモデル TYPE S(Takumi Japan)
54度/TJ PROモデル TYPE S(Takumi Japan)
58度/TJ PROモデル TYPE S(Takumi Japan)
ウェッジの“4度ピッチ”はあくまでも目安
今野 ロフトの組み合わせを”4度刻み”と、数字ありきで決めるのは要注意だと今野プロ。 女子プロを見ても、ロフトピッチは様々でしょう。まずは自分が何ヤード打ちたいかがあって、そのキャリーを無理なく打てるロフトを選びましょう。
今野 女子プロのロフトと飛距離を見てもわかるように、ロフトを立てて 正しくボールをとらえれば、50 度や52度で90 ヤードくらいは飛 ぶと思いますよ。
月刊GD2019年8月号より
3打目勝負ウェッジレッスンの①②はこちら↓