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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.121 コースへ行くとドライバーが曲がる? 練習法を見直してみよう

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

練習場でドライバーをぶっぱなし爽快な気分になる。家に帰ってシャワーを浴び、ビールを飲む。素敵な余暇の過ごし方だ。

ただ、それが本当に練習になっているかというと、ちょっとばかり疑問が残る。ドライバーをぶっぱなすと確かに爽快だ。でも、その感覚のままコースへ行くと、玉砕ってことない? それは、練習が練習ではなく、爽快さを求めた運動になってしまっているから。

ひょっとして、ひょっとすると、1Wを打つときに、ずっと同じ方向を狙ってない? そりゃ、毎回同じ条件で打てばナイスショットも出るだろうし、練習場の打席は真ん中に向かっているので、マットなりに打てば球は真ん中に飛んでいく。それで満足してない?

みなさんアプローチの練習は、右の看板を狙ったり、左の看板を狙ったりしているのに、なぜドライバーは真っすぐしか打たないのだろうか。ボクはそれが謎である。

だってコースへ行くと、フェアウェイがとてつもなく広く、どこまでも真っすぐ、左右も安全で、どこに打ってもバンカーや池にからむことがない――なんてホールはほとんどないだろう。大抵は、広いホールであっても、左のバンカー方向狙いだったり、右の高い木狙いだったり、何かしら目標を設定して打つはずだ。左右にOBがあったり、フェアウェイにデカい木が立っていたりして、さらにタイトな狙いのときも少なくない。ティーイングエリア自体が左や右を向いているときもある。そんな状況のとき、多くの人が「立ちにくい」「気持ち悪い」と違和感を覚える。これが練習場ではいい感じだったのに、コースではうまくいかない原因だ。けっしてスウィングのせいではない。

だとしたら、練習方法を一考する必要がある。ナイスショットを求めるだけでなく、どこを向いても違和感なく打てる練習をしてみてはどうだろう。ボクは真ん中を狙う練習はほぼしない。マットの向きや、ラインは基本無視。そんなものコースにはないから。そして、ドライバーなら右端のポールを狙ったり、左端のポールを狙ったりして1打1打狙いを変えて打っている。打席も毎回同じではなく左サイドを選んだり、右サイドを選んだりして、どんなシチュエーションでも順応できるようにしている。ときには右サイドの打席から左端のポールを狙いさらにフックをかける、なんてことをして遊んでいる。そうすれば、どんなに狙いにくいホールでも、なんの違和感もなく打てるようになる。

爽快感を得る練習もいいけど、ときには気持ち悪さを感じる練習もやってみて。

それじゃ、ビールの味が落ちるって!? いやいや、大丈夫。どんなときでもビールはうまいって。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2019年8月20・27日合併号より