【読者記者】No.1859「スライス系の持ち球をドローに変えたいのですが、なかなかうまくいきません」
読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「持ち球をフェードからドローにしたい」というもの。果たして解決方法は?
PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara THANKS/学芸大ゴルフスタジオ
読者記者No.1859 畠山恩さん
●会社員 ●ゴルフ歴/10年 ●ベストスコア/81 ●アベレージスコア/92(白ティー) ●ドライバー飛距離/180~200ヤード
先生/兼濱開人
90年生まれ、沖縄県出身。解剖学や運動生理学に関する豊富な知識を生かし、生涯スポーツとして「カッコよく」続けるための指導を目指す。「学芸大ゴルフスタジオ」ヘッドコーチ
畠山さんのお悩み
「ドローボールがなかなか打てない」
スライス系の持ち球をドローにしようと頑張っていますがなかなか思った球筋になりません。とくにコースだとうまくできないんです。
切り返し後にやや右肩が出ていて、軌道がアウト‐インになっている(3コマ目)。安定的にドローを打ちたいのであれば、この部分は修正したい
畠山 強いドローが打ちたいんですが、今は達成率50%くらいです。
兼濱 フェードをドローに変える場合は、スウィング全体の感じを変えるのと同時に、インパクトのイメージを変える必要があります。むしろ、先に小さいスウィングでドローのインパクト感を手(あるいは脳)に覚えさせるほうが、早くドローにスイッチできるかもしれません。腰から腰(トップとフォローでクラブが水平)くらいの振り幅で、①イン‐アウトに振る、②振る軌道よりフェースを閉じて当てる、の2つを意識してボールを打ってみてください。
畠山 小さいスウィングでも、①、②が両方できると、ちゃんとつかまったドローの感触がありますね。
兼濱 その感覚で、だんだん振り幅を大きくしていくと、最終的にはフルスウィングでドローが打てるようになるはずです。
畠山 練習してみます!
<問題点>
インに引きすぎてアウトから下りる
テークバックでヘッドをインサイドに引くと、切り返しの反動でアウトから下りやすくなる。クラブで描く円が左回りになり、下の写真とは逆になる
記者「どうしてもインから下ろせないんです」
プロ「むしろ上げ方のほうを変えてみましょう」
テークバック側では、クラブで右回りの円を描くイメージで、アウトに上げたクラブをインから下ろす。切り返しの瞬間にクラブが寝て、そのまま引き下ろすだけでオンプレーンになる感覚もわかる
記者「なかなかイメージ通りの軌道にならないんです」
プロ「まずはインパクト周辺をしっかりドローにしましょう」
ごく小さいスウィングで、確実にイン‐アウトに振り、かつ(軌道に対して)フェースクローズにして、ドローの「インパクト感」を養う。インパクトゾーンでクラブがどう動けばドローになるかということが、感覚として脳にインプットされると、フルスウィングの大きさにしたときもその感覚を再現しやすくなる
ドローのメカニズム
軌道はイン‐アウト、フェースはそれより少しクローズ
ドローボールを打つためには、ターゲットに対してクラブをイン‐アウトに振り、その軌道に対して少しだけフェースを閉じて当てることが必要
Point
手首は自由に動くようにする
手首を固め、「両腕の三角形をキープしたまま」、「インパクトゾーンはヘッドを真っすぐに動かす」といったイメージは、ドローと相性が悪い
Drill
小さい振り幅でイン‐アウトに振る
ドローのインパクトをイメージして振ると、スウィング全体がドローの動きになりやすい。逆に全体の動きをイメージして、インパクトをコントロールするのは難しい
<取材後記>
イメージを変えるのが難しい
体の右側でクラブを「右回し」にするのが、意外に難しかったです。フェードの動きが脳にインプットされているので、それをドローに書き替えないとダメなことがわかりました。
月刊ゴルフダイジェスト2024年5月号より