【ゴルフジム】「ドライバーの球筋が不安定に。年々体が回りづらくなっている気がします」
読者の悩みを教え上手なプロがマンツーマンで解決する連載「ゴルフジム」。今回のお悩みは「ドライバーの球筋が安定しない」というもの。その解決法とは?
PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara THANKS/ダイナミックゴルフ千葉
教える人/齊藤かおり
さいとうかおり。岩手県出身。29歳でゴルフを始め、米LPGAティーチング資格を取得。20年、同A級取得。ドラコン競技で342ヤードの日本記録を達成し、世界大会にも出場。ドラコン日本大会10勝。㈱岐本金属所属
<今週のお悩み>
「ドライバーの球筋が不安定です」
●石井 文男さん(76歳/ゴルフ歴40年/ベストスコア76/平均スコア85/身長176cm)
全体としては質の高いスウィングだが、切り返し後にやや右肩(右手)が前に出て、軌道がアウト‐インになっている。この部分を改善すると、シャフトのしなりを感じてタイミングが取りやすくなるので、インパクトが安定する
石井 ドライバーの方向性がよくないのと、飛距離的にも飛んだり、飛ばなかったりが激しいです。
齊藤 少しだけ、テークバックの回転が足りていない感じがします。そうすると、切り返しのときに上半身と下半身の時間差が作りにくくなるので、どうしてもアウト‐インに振ってしまいやすくなるんです。
切り返しの順番がよくないです
石井 年々、体は回りづらくなる感じはしますね。
齊藤 普段から簡単な体操をするだけで、体の回りやすさは維持できるんですよ。たとえば、両手でクラブをささげ持つようして、体を左右に回すだけでも効果があります。
石井 確かに、こういう体操でもしない限り、日常生活でこんなに体を回すことはないですね。
齊藤 右から左に回転するときは、最初に左足を踏んで、それから体を回すように意識してみてください。ちゃんと左足が踏めると、ピッチャーがボールを投げるときみたいに体全体のしなりを使えるので、エネルギー量が増えるんです。
石井 下半身と上半身が時間差で動くと、ダウンスウィングでなかなか右サイド(手)が前に出ないのがわかりますね。今まで、自分では手が前に出ていないと思っていましたが……。
齊藤 実際にクラブを持ってスウィングするときも、最初はゆっくりでいいので、まず左足を踏んで、それから手を下方向に下ろすというふうに、順番を守って振る練習をすると、インパクトが安定してきます。
これで解決!
「トップでしっかり回転して
上下の時間差を作って下ろそう」
両手でクラブを持って体を左右に回す
体を左右に回す(ねじる)動作は、あまり日常生活で使うことがないため、体操などで意識的に動かす習慣をつけることで、可動域を維持できる
Point 1
切り返しはまず左足の踏み込みから
体を右から左に回す際に、まず左足を踏み込むことを意識する。そうすることで、下半身と上半身に回転の時間差が生まれ、上体を開かずにダウンスウィングする感覚が身につく
Point 2
手は真下方向に下ろす
左足の踏み込みから切り返しをスタートできると、胸が飛球線後方を向いている時間が長くなるので、手を真下方向に下ろせるようになる。そうすると、クラブ軌道がイン‐アウトになりやすい
Drill
左足の踏み込みを意識して打つ
クラブがトップまで上がり切る前に、左足を踏み込むことを意識して打つ。踏み込むタイミングがうまくいくと、トップでしっかりと「間」が取れる
週刊ゴルフダイジェスト2024年4月2日号より