【ゴルフジム】「少しアウトに上げるようにしてみたんですが、切り返しの感覚が上手くつかめません」

ゴルフジム

2024.03.10

KEYWORD アイアン体幹練習法齊藤かおり

読者の悩みを教え上手なプロがマンツーマンで解決する連載「ゴルフジム」。今回のお悩みは「球筋が安定しない」というもの。その解決法とは?

PHOTO／Yasuo Masuda　TEXT／Daisei Sugawara　THANKS／ダイナミックゴルフ千葉

教える人／齊藤かおり

さいとうかおり。岩手県出身。29歳でゴルフを始め、米LPGAティーチング資格を取得。20年、同A級取得。ドラコン競技で342ヤードの日本記録を達成し、世界大会にも出場。ドラコン日本大会10勝。㈱岐本金属所属

＜今週のお悩み＞
「切り返しの感覚がつかめず球筋が安定しません」

●森野武さん（53歳／ゴルフ歴30年／ベストスコア79／平均スコア99／身長169cm）
ダウンスウィングで両ひざが目標方向に流れていて、腕が体と一体になっていない（3コマ目）。右手が下から入る形になっているため、フェースの開きが大きく、右手を返すタイミング次第で左右どちらにもミスが出やすい

森野　元々フックばかり出ていて、それまでインに引いてインから下ろそうとしていたのを、少しアウトに上げるようにしてみたんですが、切り返しの感覚がうまくつかめなくて……。

齊藤　上げていくときに体幹がゆるむ感じがありますね。そうすると、腕の長さが変わって、下りてくるときの軌道やフェースの向きがバラバラになっちゃうんです。とくに右手の通り道が安定していません。

森野　何となく、自覚はあります。

ダウンスウィングで右手が長くなっています

ダウンスウィングでは、右ひじを曲げたまま体に密着して下ろすほうがいいが、腕と体が連動していないスウィングの場合、早い段階で右ひじが伸び、体から離れてしまう。その後は、右手が左手より「長く」なり、フェースが過剰に返りやすくなる

齊藤　ダウンスウィングでは、左にスウェイしないで、なおかつ体も開かないで、右手を体の近くに通す必要があります。この感覚を覚えるには、前に出した左手をクラブで支えて、その下を右手1本で振るといいんです。

森野　下半身をしっかり使って打つ感覚がありますね。それに比べると、今までは上半身の力が強かったみたいです。

齊藤　切り返し以降、ずっと体幹部に力を入れられると、上半身だけでボールに当てにいくようなスウィングにはなりません。たとえば、インパクトしてすぐ、スウィングをストップするような練習をすると、体幹を使って打つ感覚が身につきます。

森野　お腹にかなり力を入れないと、惰性でクラブが上がってしまいますね。

齊藤　そのくらいお腹に力が入っていると、多少打点がずれてもフェースが負けないので、ミスの度合いが小さくなるんです。

これで解決！
「体幹部に力を入れて
腕と体を連動させよう」

体を開かずに右手を体の近くで振る

軸を左にずらさず、上体も開かずに腰だけを回して打つようにすると、自然に右ひじが体に密着し、右手が体の近くを通る。左手を前に出してクラブで支え、その下を振ると、この感覚がわかる

Point
インパクトまで右ひじは体に密着

右ひじを体に密着させたまま、体幹部の回転でインパクトできると、体のエネルギーを効率的にボールに伝えられる。インパクトの圧力が上がると、飛距離が出るだけでなく、ミスにも強くなる

Drill 1
フォローをほとんど出さずに打つ

インパクト後、すぐにクラブを止める。体幹部に力が入っていないと、クラブは惰性で上まで上がってしまう。体幹の力でクラブを引き下ろす感覚がわかる

Drill 2
フィニッシュで3秒間止まる

フィニッシュまでしっかり振り切った状態で3秒静止し、それから胸の前にクラブを下ろす。きちんと左足の上で回転できていないと、バランスが崩れて止まっていることができない

週刊ゴルフダイジェスト2024年3月19日号より