【低く出てキュッと止まるアプローチ】#2 最下点を左にズラすだけ! 「“打ち込む”意識は要りません」
ビクトール・ホブランを年間王者に導いた「ツアーチップ」とは、低く出てキュッと止まるアプローチのこと。これを覚えるとゴルフがさらにワンランクアップ。打ち方のポイントを、永井直樹プロに教えてもらった。
TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroaki Arihara、Getty Images THANKS/千葉よみうりCC
- 昨シーズンの年間王者ビクトール・ホブランはつい最近まで、アプローチのトップやザックリに悩んでいた。ところがコーチを付けて「ツアーチップ」という技を習得してからは見違えるように寄せワンが増えたという。ツアーチップとは、いったいどんな技術なのか? TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroaki Arihara、Getty Images THANKS/千葉よみうりCC ……
ダウンブローに打つ
必要はない?
ロフトを立てながらダウンブローに打つには、ハンドファーストにして上から打ち込むイメージになるが、それが間違っているようだ。
「打ち込む必要はありません。振り方は普通のピッチショットと同じで、ヘッドの最下点を左にズラしてあげるだけでいいんです。トップから切り返しのときに胸を15センチ左にズラせば最下点がボールの先になるのでヘッドはダウンブローに入るし、手元も左に移動するからハンドファーストに当たります」
それだけでいいなんて、想像よりずいぶんと簡単では?
「アドレスで少し注意点があるのと、アマチュアの方は右体重で打っている人が多いので左に乗っていく練習は必要です」
ツアーチップの“構え方”4つのポイント
Point 1
ボールの近くに立ってハンドアップ気味に構える
ツアーチップはミート率を下げスピン量を増やすためにフェースのトウ側で打つ。そのためにボールの近くに立ってややハンドアップ気味に構えて少しヒールが浮くようにしておく
Point 2
グリップはややウィークが合う
ストロンググリップでハンドファーストにするとインパクトでフェースがかぶりやすいので、ややウィークグリップがいい
Point 3
カットに振るためにオープンスタンス
クラブ軌道がインサイドアウトだと入射角が浅くなってしまう。オープンスタンスでアウトサイドインに振ったほうがダウンブローになりやすい
Point 4
フェースを少し開いて刃が刺さらないようにする
リーディングエッジが地面に刺さらないように、フェースを少し開いて構え、バウンスを使えるようにしておく
ツアーチップの“打ち方”3つのポイント
Point 1
切り返しで重心を左に15センチ移動させる
普通に振るとヘッドは構えた位置に戻るため最下点はボールの手前になる。それをボールの先にするためには切り返しで重心を左にズラせばいい。具体的には胸の中心を15センチ移動させて左足体重で打つイメージ。アマチュアは右体重で打っている人が多いため、最下点がボールの手前になってしまう
Point 2
ハンドファーストは手を出さずに体を回す
インパクトのハンドファーストは手元を出すのではなく、重心の移動と体を回すことで手元が先行する形にする
Point 3
過度なコックは入れなくていい
ダウンブローに入れようとしてコックを使ったりする必要はない。かといってノーコックでもなく、自然に少し角度がつけばいい
ピンまで20ヤードのツアーチップ
お手本スウィング
>>「ツアーチップ」を手に入れる習得ドリルとは?
- ビクトール・ホブランを年間王者に導いた「ツアーチップ」というアプローチの技術を身につけるにはどうすればいいか。習得のための3つのドリルを永井直樹プロに教えてもらった。 TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroaki Arihara、Getty Images THANKS/千葉よみうりCC 解説/永井直樹 96年プ……
月刊ゴルフダイジェスト2024年4月号より