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【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.161 2024年、目指せ! 10万回素振り

高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。

PHOTO/Tsukasa Kobayashi

前回のお話はこちら

2023年、「今年はクラブを5本以下にしてラウンドをしてみませんか」いう提案をしましたが、2024年の提案は「今年は素振りで上手くなりませんか」です。

素振りじゃ球筋がわからん、なんて言う人がおりますけど、そもそも皆さんがやっている素振りでは上手なりません。

多くの人がやっているのは、クラブを振ったら、フィニッシュから次のバックスウィングに一気に戻してきてまた振る、これを一連の動きにして、それを何回も繰り返す「連続素振り」やないでしょうか。これを毎晩100回やっていると言うて満足しとる人が多くいますけど、あんなもんは“クソの役”にも立たんです。


理由を言いましょう。「構え」て「上げて」、「トップで切り返す」。ここまでがゴルフで一番難しい部分なんですよ。惰性でブンブンの連続素振りは、その一番大事な部分を省いているわけです。

上手くなる素振りは、1回ずつ構えなアカン。「構えて」、「上げて」、「切り返す」。僕は若い頃、プロになるちょっと前に、そういった素振りを夜に300回くらい、少し重いサンドウェッジと軽いドライバーを10回ずつ交互に振っていくというのをやっておりました。

鉄の棒も振りましたけど、クラブが一番いいです。クラブは、どこで音が鳴っているかがわかるんですよ。音はインパクト以降に、「ギュン!」と短く高い音になってこんとダメです。そしたらその音を出そうと工夫しますわね。

あとは、振っているうちに、フェース面がどないになっているかいうことも、ちょっとはわかってきます。切り返しで力む人は、フローリングの床で靴下で素振りしたら滑るし、砂利道ならジャリッとなるしね。そういう工夫をして行う素振りは、バランスを取って振るいうことなので、“ヘッドを感じているか”いうこととイコールの話ですから、実際のスウィングに生きてきます。

この冬と言わず、この1年は10万回くらい素振りすんねんというつもりでやってほしいですね。

まあ極端に言えば、ですけれど、1日300回を365日続ければ10万9500回やからね、むちゃくちゃ上手くなりますよ。

「構えて」、「上げて」、「切り返す」
「上手くなる素振りは、1回ずつ、音を聞きながらやることですわ」

奥田靖己

奥田靖己

おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する

週刊ゴルフダイジェスト2024年1月9・16日合併号より