【読者記者】No.1844「腰が上手く回らず、インパクトが詰まってしまいます」
読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「フォローでうまく腰が回らない」というもの。果たして解決方法は?
PHOTO/Hiroshi Yatabe TEXT/Daisei Sugawara THANKS/ZEN GOLF RANGE下丸子店
読者記者No.1844 川崎由晴さん
●59歳 ●会社員 ●ゴルフ歴/19年 ●165cm・57kg ●ベストスコア/84 ●アベレージスコア/91 ●ドライバー飛距離/230ヤード
先生/川辺貴博
76年生まれ、神奈川県出身。日体大荏原高校、東北福祉大ゴルフ部を経て、社会人生活を経験した後、13年、プロ入会。できるだけわかりやすい言葉で、論理的に指導。「ZEN GOLF RANGE」下丸子店所属
川崎さんのお悩み
「フォローでうまく腰が回せない」
腰を回して、フォローをスムーズに振り抜きたいんですが、うまくいきません。インパクトが詰まって右に飛ぶか回りすぎて左に引っかけることが多いです。
腰を回そうという気持ちとは裏腹に、ダウンスウィング後半になっても左腰があまり開いていない(3コマ目)。それに対して、上半身の開きは少し早い傾向がある
川崎 腰を回すのが苦手で……。
川辺 切り返しで、上半身が先に動いちゃってるのが原因ですね。下半身から動き出せると、フォローまでスムーズに腰が回ります。
川崎 いわゆる、下半身リードというやつですね。
川辺 そうです。難しいと思われがちなんですけど、大事なのはきちんと順番を守ってやることで、たとえば、動きをひとつひとつ、ゆっくり確実に行う練習をすると、必ずできるようになります。
川崎 そうなんですか?
川辺 最初はクラブを持たなくていいので、「1」でトップ、「2」で左足を踏み込んで、「3」で回転、という順番で動いてみてください。トップでは左足を上げて、上げた足をステップして回転します。
川崎 ステップするとき、上半身はまだ回さないんですよね?
川辺 まず踏み込み、それから回転です。慣れたらクラブを持って、同じように順番を守って振ります。慣れると、速く振っても順番が狂わなくなりますよ。
<問題点>
下半身よりも上体が先に回る
切り返しで上半身のほうが早く回ってしまい、下半身が置き去りになる。下半身から先に回転させないと正しい軌道では振れない
記者「腰が回り切らずにボールが右に抜けます」
プロ「胸を後ろに向けたまま切り返しましょう」
フォローまで上半身に対して腰が先行して回るためには、切り返しの時点で双方に時間差があることが必須。切り返しでは、胸を飛球線後方に向けたまま、腰だけを先に回すイメージがあると、その後もスムーズに腰を回せる
<対処法>
右肩を残したまま手を下ろしていく
ダウンスウィングで、肩の回転を抑えながら手を下げていくと、自然に腰が回っていく。これならフォローまで、腰が先行し続ける
右肩が早い段階で前に出る
後方から見たときに、インパクトで右肩がかぶっているのは(写真)、上半身が早く回りすぎている証拠。ここから腰だけを回すのは難しい
ダウンスウィングを3段階でやってみる。
腰を回すタイミングがわかってきた!
【1】トップで確実に右サイドに乗る
【2】左足を踏み込み右足を斜めに倒す
【3】踏み出した左足を中心に一気に回転
下半身リードに大切なのは、動きの順番を守ること。3段階の「ステップ素振り」で、踏み込んでから回転という順番を体に覚えさせる。慣れたらクラブを持って行う。順番を意識すると、通常スピードで振ってもスムーズに体が動くようになる
踏み込んでから回転をスタート
切り返しの第1段階は、左足の踏み込み。このとき、上半身は「何もしない」。この時点では、腰もまだ急いで回そうとしなくていい
左の尻に張りを感じて下ろす
踏み込みの際、左足に重心を移すために、右足を斜めに傾ける。左の尻に張りを感じられれば、重心移動がきちんとできている証拠
Drill
3段階の動きで実際にボールを打つ
ステップ素振りと同じ要領で、ボールを打ってみる。ひとつひとつの動きを確実に、ゆっくり行う。慣れたらスピードを上げていく
<取材後記>
右のふところが広く感じた
踏み込んだときに、胸を後ろに向けたままだと、右サイドのふところが広くなって、自然にイン‐アウトに振れる感じがしました。腕がスムーズに振れると、腰も回りやすいです。
月刊ゴルフダイジェスト2024年1月号より