【読者記者】No.1841「フェアウェイウッドがダフったり左に飛ぶことが多いんです」
読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「ウッド系でミスが出やすい」というもの。果たして解決方法は?
PHOTO/Norio Tsuburaoka TEXT/Daisei Sugawara THANKS/ユニオンゴルフクラブ
読者記者No.1841 山田美咲さん
●会社員 ●ゴルフ歴/1年7カ月 ●ベストスコア/98 ●アベレージスコア/110 ●ドライバー飛距離/210ヤード
先生/橋爪力
71年生まれ、千葉県出身。02年、プロ入会。ショートゲームが得意で、アプローチの指導の上手さには定評がある。千葉県の「ユニオンゴルフクラブ」を中心にレッスンを行う
山田さんのお悩み
「ウッド系でミスが出やすい」
コースだと、フェアウェイウッドでミスすることが多いです。ドライバーは得意というわけではないですが、まだミスは少ないです。何が原因でしょうか?
十分なリリースが起きていない
ボールに「当てたい」という気持ちが強いため、トップからインパクトまでグリップにかかる力が均一で、クラブのしなり感が少ない(2~3コマ目)。これだと、適切なタイミングでリリースが起こらないので、ヘッドが走らない
山田 ウッド系が苦手で、ダフったり、当たっても左に飛ぶことが多いです。
橋爪 フェアウェイウッドのように地面から打つクラブというのは、クラブをしっかりリリースしないとうまく打てません。ダウンスウィングでヘッドを走らせるためには、グリップを強く握りすぎるとダメで、とくにトップではできるだけグリップ圧を弱めておく必要があります。ここで、10割の力で握ってしまうと、その先のダウンスウィングで力を入れられなくなるからです。
山田 なるほど。
橋爪 左右とも、人さし指と親指でグリップをつまむようにして、他の指を全部外してください。それでちょっと振ってみましょう。
山田 かなりグラグラですが……意外と振れますね。
橋爪 慣れると、それでもボールを打てますし、ダウンスウィングでヘッドをリリースする感じが、逆によくわかると思います。
山田 確かに、ヘッドの走りをすごく感じます。
橋爪 もうひとつ大事なのが、ヘッドの戻し方です。ウッドはシャフトが長いですから、理想的な軌道で振ると、入射角がかなりゆるやかになります。ですが、ウッドが苦手な人ほど、強く当てたくて、ヘッドを上から入れがちなんです。
山田 私もそうです。
橋爪 まずアドレスでヘッドの位置を「記憶」してください。スウィングがスタートしたら、最終的にその「残像」にヘッドを重ね合わせるイメージで振ると、ゆるやかな入射角でインパクトしやすくなると思います。
<問題点>
トップで手首と腕が力んでいる
トップでフェースが真上を向く、シャットフェース。リラックスしてこの向きならいいが、力んでいると切り返し以降で問題が出やすい
記者「どうしてもヘッドがドンッと落ちちゃいます」
プロ「指を外して握ると円軌道で振れます」
小指側3本を外して握る
左右とも、人さし指と親指以外の指を外して握り、その状態でボールを打つ。ダウンスウィングで、適切にヘッドがリリースされるのを感じるはず。他の指を握ったときも、この感覚が邪魔されないようにすることが大事
慣れたら握る指を増やしていく
最初は左右とも2本だけ、そこから1本ずつ指を増やしていく。握る指が増えても、最初の2本だけの感覚を消さないようにする
記者「ウッドもヘッドを上から入れますか?」
プロ「アドレスの位置に横から戻すといいんです」
上から入れるとアウト‐インになりやすい
長いクラブほど、入射角はゆるやかになるのが自然。アドレスでのヘッドの位置を「残像」として記憶し、横から重ね合わせるイメージで振ると、シャローなインパクトになりやすい。上から重ね合わせると、入射角がきつくなりすぎる
Point
インパクトで顔を右に残す
頭が目標方向に突っ込むと、最下点の位置が左にずれて、入射角がきつくなる。頭を残すと、ゆるやかになる
実践テクニック
短く持ってボールに近づく
もしコースでミスが多発するようなら、グリップを短く持ち、ボールにやや近づいて打つといい。アイアン感覚で打てるのでミスが減る
<取材後記>
驚くほど強い球が出た
グリップの力を抜いたら、弱いインパクトになるんじゃないかと思いましたが、自分でもびっくりするくらい、強く当てられました。力よりバランスが大事なのが、よくわかりました。
After
フォローまでヘッドが加速するようになった
トップで、肩から腕にかけての力感が弱まり、上体が自然な位置に収まっている(2コマ目)。ダウンスウィングで、ヘッドの重さを利用して振れているので、フォローサイドまでヘッドの加速が続いているのがわかる(4コマ目)
月刊ゴルフダイジェスト2023年12月号より