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【浦ゼミナール】Vol.46 アプローチとパットが確実に上達する“秘蔵ドリル”お教えします!【動画あり】

身長171cmで420Yという驚異の飛距離を誇る浦大輔が、スキルアップのコツを伝授する連載「解決! 浦ゼミナール」。上手くなりたいなら自己流はやめて、絶対にプロに教わるべきだと言う浦さん。ではそのレッスン効果を最大に生かせる「教わり上手」になるコツはあるのだろうか?

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Hiroyuki Tanaka THANKS/√dゴルフアカデミー

前回のお話はこちら

浦大輔

浦大輔

うらだいすけ。身長171cmで420Y飛ばす飛ばし屋にして超理論派。東京・赤坂で√d golf academyを主宰

ほとんどのドリルは
漠然とやってもムダ

――前回は、アマチュア同士の「教え合い」はダメだという話でした。でもプロに教わるにしても、上達が早い人と遅い人がいると思います。「教わり上手」になる秘訣ってあるのでしょうか?

 レッスン中はメモを取らないこと。メモを取る人はダメですね。

――でも浦さんは、メモを取りながら練習をしろとか、ラウンド中にスコアカードにいろいろ書き込めとよく言っています。

 それはデータを記録しているのであって、教わったことをメモするわけじゃありません。ダメなのは、教わったことの要点をメモしておこうっていう態度です。レッスン中、コーチは身振り手振りや声のトーン、テンション、そういったものを全部トータルで演出しながら教えているので、要点だけメモってもそこに肝心なことは残っていません。学校の授業で、先生の話を聞かないで黒板だけノートに写すのと一緒。その場で理解できていないし、あとで見返すわけでもない。大事なのは、その場でちゃんと理解することです。

――その場ではわかった気になるんですけどね……。

 「わかってはいるんだけど、できないんだよなあ」って言う人は、それは本質的にはわかっていないんです。大事なのはコーチが言っていることを覚えることではなく、動きや感覚として理解することです。

――ドリルなんかは、どう取り組めばいいんでしょうか?


 コーチが意図を持って与えたドリルは、ちゃんとやれば有効だと思います。でもドリルをやることが主目的にならないようにしてほしいですね。片手打ちなんかも、ただ上手に片手で打つことが主目的になってしまうと、小手先の動きを助長して逆効果になる場合もあります。

――雑誌を見てドリルだけやろうというのも……。

 危険ですね。もちろん意図と目的を理解してやるのはいいんですが、むやみにドリルだけ真似するのはおすすめしません。でもせっかくなので、やるだけで絶対に上手くなる秘伝のドリルがあるので、お教えしましょう。

――どんなドリルですか?

 左手1本でクラブを持ってクラブを「落とす」ドリルです。手だけでクラブを上げたところから、少しだけ手元を左にスライドさせつつ、重力に任せてヘッドを落として球を打つ。手でクラブを振るのではなく、クラブに仕事をさせるインパクトの本質がわかりますよ。

アプローチが絶対に上手くなるドリル

ヘッドを“落とす”感覚を養うスーパードリル
左手だけでバックスウィングしたクラブを、そのまま重力に任せて落とすと、手前にダフる。このとき、クラブを持った左手を少し左にスライドさせると、ヘッドがボールのところに落ちてくる。これがダウンスウィングとインパクトの本質。「誰でも絶対に上達する」と浦さんが太鼓判を押すドリルだ

腕を左に振っていったり、体を動かす必要はない。本質は重力でクラブを「落とす」こと

パターマットの練習は
ドリルが有効

――ほかにもいいドリルがあれば教えてください。

 ショットやスウィングに関するドリルは、単純にやるだけで誰でも上手くなるというものは少ないので難しいですね。でもパッティングに関しては、ただ漠然とパターマットのカップに向かって打つよりも、ちょっとしたドリルをやりながら練習するほうが練習効果が大きいのは間違いありません。

――どんなドリルですか?

 1つはボールを2個並べて、1ストロークで同時に打つドリル。ポイントは、2つのボールが両方真っすぐに、かつヒール側のボールが先行するように打つことです。

――両方真っすぐ転がすだけでも難しいですが、上手く打ててもトウ側のボールが先行しがちです。

 それはフェースの開閉量が多すぎるんです。ヒール側が先行するように打てるようになれば、フェースコントロールの精度が向上して、狙ったところに正確に打ち出せるようになります。

――ほかにもありますか?

 打つボールの20~30センチ先にボールをもう1つ置き、ビリヤードのように当てて先のボールを真っすぐ転がすドリル。さっきの「2個同時打ち」ができるようになったらトライしてみてください。慣れてきたら、先のボールを少しずつ遠ざけていくと難易度が上がります。さらに上級編として、打つボールをフェースのヒール側にセットし、その10センチくらい先のトウ側にもう1個ボールを置く。そして1ストロークで両方打って、どちらも真っすぐに転がすドリルがあります。

――難しい!

 これができるようになったら、ショートパットが圧倒的に簡単に感じられるようになります。それから1つ言い忘れましたが、レッスンの効果を最大にする大事なコツがあるんです。それは、レッスン時間の「最後の1球」に集中して、そこでナイスショットすること。この「最後の1球」こそが、いまコースで出る球なので、そこで今日のレッスンの成果をきちんと発揮できる人は上手くなります。

――どうすれば最後の1球を上手く打てるんですか?

 一度アドレスをほどいて仕切り直すことです。そのルーティンで、打席の空気を「自分の場所」にすることができますし、頭の中を整理してから集中して最後のショットに臨めます。

パターの達人になれるドリル

Drill 1
2個並べたボールを同時打ち

ボールをピッタリくっつけて2個並べ、同時に打って両方真っすぐ転がす。普通に打つとトウ側のボールが先行しがちだが、パター巧者が打つとヒール側のボールが先行して転がるという。精度の高いフェースコントロールが身につく「誰でも絶対に上手くなる」ドリルだ

Drill 2
ビリヤード打ち

ボールの先にもう1個ボールを置いてビリヤードのように当てるドリルは、打ち出し方向の精度を上げる。最初は15~20センチ間隔から始め、少しずつ遠ざける。当たった先のボールを真っすぐ転がすことが大事

Drill 3【上級編】
時差2個打ち

ヒールにセットしたボールと、その10センチほど先のトウ側に置いたボールを1ストロークで両方打つドリル。長く真っすぐのインパクトゾーンと、精密なフェースコントロールが身につく

月刊ゴルフダイジェスト2024年1月号より