【ゴルフジム】「スライスが多く、たまにチーピンも出てしまいます」
読者の悩みを教え上手なプロがマンツーマンで解決する連載「ゴルフジム」。今回のお悩みは「球筋を安定させたい」というもの。その解決法とは?
PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara THANKS/東京ゴルフスタジオ
教える人/吉本舞
よしもとまい。佐賀県出身。USLPGA「ティーチング&クラブプロフェッショナル」資格保持。楽しみながら上達を目指す。SNSでレッスン動画を多数公開している。「東京ゴルフスタジオ」インストラクター
<今週のお悩み>
「スライスが多いですが時々チーピンも出ます」
●元木 誠さん(55歳/ゴルフ歴25年/ベストスコア82/平均スコア90/身長167cm)
トップで左手首が甲側に折れて、フェースが開いている(2コマ目)。この形からは、切り返しでシャフトが立ち上がる方向に動きやすく、結果としてアウト‐インの軌道になりやすい。スライスが出やすいのはそのため
元木 大抵はスライスなんですが、たまに逆球のチーピンも出るんです。
吉本 切り返しのときの、手首の硬さが気になります。本来、トップではクラブが小さくループして(切り返しでクラブが寝る方向に傾いて)下りるといいんですが、右手首が硬いことによって、それが逆になっています。つまり、切り返しでクラブが立ち上がって、そのままアウトから下りてくる感じです。
右手首の動きが硬いです
元木 右手に力を入れすぎなんでしょうか。
吉本 ずっと力を入れっ放しにするのはよくないです。とくに、テークバックはもう少し力を抜いて、右手首が自然に甲側に折れるように振れると、切り返しの動きもよくなります。たとえば、右手でクラブを逆さに持って、できるだけ速いスピードで素振りをしてみてください。ギュッと握り締めて上げると、速くは振れませんよね?
元木 確かに。ゆるく握って振ると、切り返しのときに手首が甲側に折れるのを強く感じます。
吉本 ボールを「打つ」という意識が強いと、手首が硬くなりやすいですし、インパクトで動きが詰まりやすいんですが、ただ速く振ろうとすると、手首も使えるし、フォローで勝手に左腰が切れて、フィニッシュまで体が回ります。
元木 手首が使えて、体が切れると、クラブがインから下りるのがわかります。それに、インパクトで手元が左足の前になって、ハンドファーストで打てますね。
これで解決!
「ボールを“打つ”意識を捨てて
右手首を柔らかく使おう」
Point 1
大きいなものを打ち抜くイメージ
ゴルフボールは小さいので、どうしても「当てよう」という気持ちが出てしまい、それがスウィングを縮こませる要因になる。インパクトバッグなどを叩くと、「打ち抜く」イメージになり、全身の力を使って打つ感覚がわかる
Point 2
右手首の背屈でクラブが寝る
テークバックで、右手首が十分に甲側に折れる(背屈する)と、トッ
プでクラブが自然な角度に収まり、その角度のままダウンスウィングに入れる。背屈が足りないと、シャフトが立つ
DRill 1
ボールの後ろに目印を置いて振る
ボールの後方30~50センチくらいのところにゴムティーなどを置き、ダウンスウィングでヘッドがどこを通るかチェックする。ゴムティーの手前を通ると、インから下ろせているということ
Drill 2
クラブを逆さにしできるだけ速く振る
逆さにしたクラブを右手1本で持ち、できるだけ速いスピードで振る。速く振ろうとするほど、自然にグリップ圧が弱まり、手首が柔らかく使える。また、クラブをしっかり振ることで、体が勝手についていく感覚もわかる
週刊ゴルフダイジェスト2023年11月14日号より