【ゴルフジム】「ドライバーがスライス回転で飛ばない。平均で230ヤードぐらい飛ばしたいんですが…」
読者の悩みを教え上手なプロがマンツーマンで解決する連載「ゴルフジム」。今回のお悩みは「ドライバーのスライスを抑えて飛距離を伸ばしたい」というもの。その解決法とは?
PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara THANKS/ダイナミックゴルフ千葉
教える人/齊藤かおり
さいとうかおり。岩手県出身。29歳でゴルフを始め、米LPGAティーチング資格を取得。20年、同A級取得。ドラコン競技で342㍎の日本記録を達成し、世界大会にも出場。ドラコン日本大会10勝。(株)岐本金属所属
<今週のお悩み>
「ドライバーがスライス系で200ヤードちょっとしか飛びません」
●岩井 宏治さん(51歳/ゴルフ歴12年/HC19/ベストスコア80/平均スコア90/身長160cm)
アドレスの時点で、すでに右サイドが前に出て、上半身が左にずれた形になっている(1コマ目)。この形からスタートすると、軌道がアウト‐インになりやすい。また、インパクトで右ひじが体から離れ、体の力がボールに伝わりにくくなっている(3コマ目)
岩井 ドライバーの球がスライス回転で、いまいち飛ばないんです。できれば、平均で230ヤードは飛ばしたいです。
齊藤 ボールを飛ばすには、インパクトでボールを強く押せる形にしないといけないんですが、岩井さんはその形ができていません。ですが、インパクトの形を整える前に、アドレスを修正する必要がありそうです。
体全体で押せる準備ができていません
岩井 スウィングの準備がよくないということですか。
齊藤 そうですね。岩井さんは、アドレスで右ひじが突っ張ってしまって、上体が左にずれているんです。仮にインパクトでそこに戻ってくるとしたら、ボールを強く押せますか?
岩井 あ、ダメですね。右サイドが前に出ているから、これでボールを押すと目標より左に飛びそうです。
齊藤 そうなんです。実際のスウィングでも、体がそれを察知してしまうので、何とか真っすぐ飛ばそうとして、うまく当てるだけになってしまうんですね。
岩井 だから飛ばないのか。
齊藤 アドレスでは、右ひじをリラックスさせてわき腹のところに軽く密着させると、軸(上体)が自然に右に傾いて、上半身と下半身の重心が真っすぐになります。手元は上から押さえつけないで、自然なハンドアップ状態にしてください。手元が下がると、ヘッドのトウが上がって、ヒールに当たりやすくなりますから。
岩井 この形でスタートすると、インパクトでも右ひじが体に密着して、グッとボールを押せますね。
これで解決!
「右ひじをリラックスさせて
インパクトで″押せる”形を作ろう」
「押せる」インパクトは右ひじが体に密着する
クラブを使って、目の前の人を目標方向に押そうとした場合、誰でも自然に右ひじを体に密着させ、体の力を使って押そうとする。ゴルフのインパクトでもこの感覚が重要
Drill
柱や壁を右手だけで押す
柱の正面に立ち、柱の右側を右手で強く押す(写真)。右ひじが体に密着していないと、強く押せないのがわかる。また、右腕を伸ばしてしまうと、自分が押す力で上体が伸び上がりやすい
Point 1
アドレスでも右ひじは曲げておく
アドレスの際、まず直立した状態でクラブを水平に支え、上下に軽く動かせるくらい腕をリラックスさせる。その状態で腰から前傾すると、自然に右ひじが体に密着した構えになる
Point 2
インパクト後まで頭を右に残す
右サイドが前に出てアウト‐イン軌道になる人は、インパクト後すぐに頭が左に突っ込みやすい。フォローまで頭を残す意識を持つと、右ひじを体につけて押す形になりやすい
週刊ゴルフダイジェスト2023年9月12日号より