【三浦桃香の“100Y”レッスン】#1 「たかが100Y」がなぜ乗らない? まずは使用クラブの性格を理解しよう
確実にグリーンオンさせたい「残り100Y」。最近のPWはロフトが立っているため、100Yを打つのに48度や50度のウェッジを入れている人も増えている。しかし、そうしたウェッジを使用することで、100Yが難しくなっていると三浦桃香プロは指摘する。その理由はなぜか。100Yを攻略するにはどうすればいいのか。詳しく話を聞いていこう。
TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Takanori Miki、Tomoya Nomura THANKS/森永高滝カントリー俱楽部
●CONTENTS●
#1 「100Yクラブ」の性格を知ろう
#2 鉄則は“8割”スウィング
#3 始動30cmは”手上げ”でOK!?
48度はそもそも「難しい」クラブ
アイアンのストロングロフト化によりPWのロフトが立ち、52度などのAWとの飛距離差が広がっているため、近年48度などのギャップウェッジを入れる人が増えている。しかし、その48度が上手く打てずに困っているという声も聞かれる。それは単に技術の問題だけではない。
「それはアイアンセットのPWに比べ、単品ウェッジの48度が難しいクラブだからです。私はそこの違和感に抵抗があって、48度は入れずにメーカーさんにPWのロフトを寝かせてもらって対応しているくらい。アマチュアの方はそうもいかないと思うので、まずはPWと48度の性質の違いをきちんと知っておくことが大事だと思います」と三浦。その性質とは?
「48度ではダフリや引っかけ、下をくぐってショートというミスが多いと思います。それはPWよりも重量が重いとか、つかまりがいいとか、ソール幅が狭いといったクラブの性質の違いから起こるものなんです」(三浦)
フルショットを前提として作られているアイアンセットのPWと、コントロールして打つアプローチ用に作られた単品ウェッジの48度は、まったく違うクラブだということ。ここを理解したうえでスウィングを考えることが必要なのだ。
PWのロフトを寝かせて47度にしています
PWと52度の間にギャップウェッジを入れるのではなく、PWのロフトを少し寝かせることで番手間のロフトピッチを調節。アイアンセットのPWのほうがやさしくミスが出にくいという
48度ではなくアイアンセットのAWを使うのもあり
48度のウェッジを使うとミスが多いという人は、アイアンセットと同モデルの単品AWを入れる手もある。ストロングロフト化している昨今ではAWまでセットになっているモデルも少なくない
「アイアンとウェッジでは
振り心地も変わります」(赤穂)
クラブデザイナー
赤穂勇介
国内メーカーでツアーレップとしてプロのクラブの調整、開発に携わり、独立後は自身で「A DESIGN GOLF」を設立
ウェッジの特徴1
重心が高く打ち込まないと球が上がらない
48度のほうがネックが長くて重心の位置が高くなっているため、ある程度ダウンブローに打ち込む必要がある。PWは払い打っても球が上がりやすい低重心
ウェッジの特徴2
重心がヒール寄りでフェースが返りやすい
フェースが短くネックが長いため48度のほうが重心がヒール寄りにあるためフェースが返りやすい。ライ角もアップライトで球がつかまりやすくなっている
ウェッジの特徴3
ヘッドサイズが小さい
構えたときにフェース面が小さいうえ、リーディングエッジが丸みをおびていることで、構えたときに難しいと感じやすい
ウェッジの特徴4
ヘッド重量が重い
PWに比べて48度は20グラムほど重く、シャフトが違うと、アイアンセットの流れからバランスが大きく変わるケースも。アイアンと同じ感覚で振ると違和感が生じやすい
48度ウェッジを使用するメリットは?
●操作性が高い
●距離の打ち分けがしやすい
●レベルアップにもつながる
やさしめのアイアンを使っている場合、アイアンセットのPWやAWは心を外しても飛んでくれる「お助けクラブ」的な構造になっている。一方単品ウェッジはいわゆるマッスルバック的な構造が多いため、ミスヒットには強くない。しかし、距離や高さをコントロールする操作性の高さは単品ウェッジに分があり、上達にもつながる。挑戦してみる価値はありそうだ。
>>では「100Y」を確実に乗せる打ち方のポイントとは?
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月刊ゴルフダイジェスト2023年6月号より
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