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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.72 ひじは“曲げて”使うべし

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

ゴルフは球技の中でも、最もボールを遠くへ飛ばせるスポーツだ。そのせいか、多くのゴルファーは1ヤードでも遠くへ飛ばしたいと思っている。その気持ちはわかる。ぜんぜん、間違ってない。しかし“その後”が、ちょっともったいないと思うのだ。

まず、ボールを飛ばすにはヘッドを走らせなければいけない。そのためには、インサイドからクラブを下ろし、インパクトで両ひじをバーンと伸ばし、アウトサイドに大きく振り抜くーーそんなイメージを持っている人も多いだろう。

ところが実際は、腕を伸ばしたまま下ろしてくると、クラブの行き場がなくなり、上体を浮かせて調整しようとする。体が浮くと言うことは、手元も一緒に浮いてしまうということ。これが飛距離アップを邪魔する一因になっている。

そうならないために、前傾角度を保てとよく言われる。前傾角度が保たれれば、エネルギーロスが少なく、飛距離、方向性ともに精度の高いショットを打つことができるからだ。でも、動きの中で、“何かを保つ”と言うのは非常に難しいよね。

それにしても、なんでみんなひじを伸ばしたがるのだろうか? トップでも左ひじをピーンと伸ばした形をとりたがるよね。確かにキレイっちゃっキレイだけど、ボク的には曲がっていたほうが、余裕があっていいと思うんだけど。

インパクトもそう。両ひじを伸ばすことで状態が浮くくらいなら、曲がってもいいと思う。いや、むしろ曲げちゃったほうが、状態が浮かず強く届けるのだ。和太鼓を叩くとき、ひじをピーンと伸ばすより、少し曲げるほうが力強く叩けるのと一緒である。

まず、グリップをしっかり握り、手首がアドレスの形をキープしフェース面があっちこっち向かないようしっかり管理する。そして、これまでどおりテークバックしたら、トップから両ひじを曲げ、体に引きつけるようにクラブを下ろしてみよう。

そうすれば、クラブはスムーズに通るので上体は浮かなくなる。さらに、ひじを体に引き寄せると、クラブが体の近くを通るため、軌道が安定しやすくなる。ということは、スウィングの再現性が高くなるということ。インパクトもひじを曲げたままでOK。左わきが開いちゃってもノープロブレム。それどころか、ヘッドが走るようになると思わん?

ひじも無理に伸ばさなくていいから体にも負担が少ないしね。

世の中には「押してダメなら引いてみろ」と言う言葉があるけれど、ゴルフ的には「伸ばしてダメなら曲げてみろ」である。とくに、前傾角度を保つには、ひじを積極的に曲げるべし、と言いたい。とりあえず、1回試してみて。

という僕は5月(2018年)の「四国アマチュアゴルフ選手権」に向けて、エンジン全開! この号が出ている頃には2次予選が終了しているはずだが……果たして予選通過となったのか!? 良い報告ができるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします。

トップ、インパクトでひじは伸ばさなくていい。ひじを曲げることでスウィングが安定し、力が球に伝わりやすくなる


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2018年5月29日号より