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【ゴルフジム】「7番で届いていた距離が6番でやっとに。アイアンの飛距離を取り戻すには?」

読者の悩みを教え上手なプロがマンツーマンで解決する連載「ゴルフジム」。今回のお悩みは、「アイアンの飛距離が落ちてしまった」というもの。その解決法とは?

PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara THANKS/アーリーバード. ゴルフクラブ

教える人/桐林宏光

きりばやしひろみ。64年生まれ、東京都出身。06年、プロ入会。05年、筑波大学で修士課程を修了、プロゴルファーでありながら、スポーツメンタルトレーニング指導士の資格も持つ。「桐林宏光ゴルフ塾」を主宰

<今週のお悩み>
「7番で届いていた距離が
 6番でやっとになってきました」

●山内智さん(61歳/身長169m/ゴルフ歴45年/HC4.7/ベストスコア70/平均スコア80)
上級者らしい、バランスのとれたスウィング。思ったような飛距離が出ないとすれば、切り返しで腰の中心が目標方向にスライドする量が少ない(重心がやや右に残っている)ことと、インパクト以降の腰の回転がやや不足していることが原因か

山内 アイアンの飛距離が落ちてしまって……。

桐林 飛ばなくなったことを自覚しているので、頑張って飛ばそうとしてますよね? ただ、その頑張るところが上半身になっているのがよくないです。

山内 ぐんと腰を切ってインパクトしたいんですが、なかなか思ったように体が動かないんです。

下半身に比べて上体が頑張りすぎています

腰が十分に回転し切れない
切り返しで上半身から先に動き出してしまうと、左足への踏み込み(骨盤のスライド)が不足し、右に重心が残ったままインパクトを迎えてしまう。また、腰の回転が不足したインパクトになるので、クラブのエネルギーがうまくボールに伝わらない

桐林 飛距離を取り戻すには、やっぱり下半身の力を使って打つことが大事です。切り返しの瞬間に左足を踏むというのが大前提で、それと同時に、股関節を使って左足全体を左に回すようにすると大きく下半身を使って打てます。左足の下にゴムボールなんかを置いて、切り返しで確実に「踏む」練習をするといいですね。

山内 腕を速く振ろうとしないほうがいいですか?

桐林 腕じゃなくて、クラブを速く振る意識は必要です。たとえば、バドミントンのラケットを左手だけで思い切り振ってみるのが、いい練習になります。軽いラケットなら、力まずにスピードを出す感覚がわかるはずです。そうしたら、ラケットをクラブに持ち替えて(両手で可)、できるだけ同じイメージで振ります。これを繰り返すと、だんだんスピードを出して振るコツがわかってきます。

山内 力を入れると逆に速く振れなくなるのが、よくわかりますね。

桐林 もうひとつ大事なのが姿勢で、アドレスでは少しつま先重心にして、骨盤を前傾させて構えないと速くは振れないんです。

これで解決!
「切り返しで左足を
 踏み込んで打とう」

クラブの「先端」を速く振る意識を持つ

やわらかい棒にリボン(あるいはゴムバンド)を結びつけて振ると、先端を速く振る感覚がわかりやすい。途中(棒が地面と平行になるくらい)まで下ろして止め、再度振りかぶって打つのを繰り返すと、さらに先端を意識しやすい

Point 1
腰に乗られてもぐらつかないアドレスを作る

ややつま先重心で、骨盤から前傾させて構えると安定感の高いアドレスになり、速く振ってもぐらつかない。かかと重心で、骨盤が立った状態だと、トップから手が真下に下りないためスピードが出しづらい

Drill 1
左手で軽いものをできるだけ速く振る

たとえば、バドミントンのラケットなどを左手1本で持ち、可能な限りスピードを出して振る。ラケットは軽いので無駄な力みが入りにくく、「速く振る」感覚を身につけやすい

Drill 2
左足でゴムボールを「踏んで」切り返す

左足の下にゴムボールなど、やわらかくて弾力のあるものを置き、切り返しの瞬間にそれを踏んで押しつぶす。左足の踏み込み動作から、ダウンスウィングをスタートさせる感覚が身につく

週刊ゴルフダイジェスト2023年4月11日号より