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最近よくダフる? それ「振りすぎ」が原因かも。冬アイアンは“6割”が鉄則です

夏は上手く打てているアイアンが、冬になると途端にダフり出す。そんな経験はないだろうか。その原因は「夏と同じイメージで振っているから」と谷口拓也プロは言う。冬アイアンの極意について詳しく聞いてみた!

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Hiroyuki Tanaka THANKS/カメリアヒルズCC

解説/谷口拓也
1979年生まれ。東北福祉大出身で02年にプロ転向し、ツアー 2勝を挙げる。谷原秀人のキャディも務める。レオマ高原GC所属

夏と同じイメージで振るからミスになる

冬になるとアイアンのダフリが急増するのはなぜなのか。この問題には実は2つの側面があると谷口拓也プロは言う。

「1つはスウィング自体がそもそもダフり気味で、夏のいいライではごまかされていたミスが冬になると途端に目立ち始めるケース。こういう人は、普段からスウィング軌道の最下点の手前でボールをとらえられていないんです」

この問題は、スウィング自体を見直す必要があると谷口プロ。しかしアマチュアにはもう1つ大きな問題がある。

「それは冬なのに夏と同じようにスウィングしてミスしているパターンです。僕らプロは、冬場は夏の3分の2以下、6割くらいの力感でスウィングしています。当然弾道も低くなるし距離も落ちる。冬は体も動かないしシャフトも硬くなるのに、夏と同じように振って同じような球が出るわけがありません。冬はショットのイメージ自体を変えなきゃいけないんです」

こういう人は大振りになってフィニッシュも崩れている。まずはフィニッシュの形、そしてインパクトの力感を見直してみる必要がありそうだ。

Point.1
フィニッシュは最後まで振り切らない

体は最後まで回していくが、クラブは振り切らず、シャフトが立つイメージ。目線は低くをキープし、左足でバランスよく立てるフィニッシュを作る。

Point.2
目指すは力感“6割”のインパクト

無理に夏場と同じように振ろうとせず、力感を抑えてコンパクトに、バランスを崩さないようにスウィングすることが大事。

ここもポイント
キャリーは減るが、ランは増える

冬のコンディションに合わせて力感を抑えてスウィングすると、弾道は夏場のフルショットの3分の2の高さになりキャリーが1割減。その反面、球は止まりにくく、ランは夏場よりも増える。これを踏まえたマネジメントが重要だ。

谷口プロの冬用アイアンショット


ダフりやすい人は
右へのスウェイを疑おう

力感だけでなくスウィング自体に問題がある人は、さらに巻き戻してトップのポジションを見直してみる必要があると谷口プロ。

「ダフリの根源的な要因は、スウィングの最下点がボールの右にあること。これは体の重心がボールより右にあるからです。この状態では、手首をほどいてアーリーリリースにしないとヘッドがボールに届きませんし、地面にあるボールを打つのにこれだとダフりやすいんです」

谷口プロは、これはトップに問題がある場合がほとんどだと指摘する。バックスウィングで右にスウェイしてしまうと、インパクトまでに重心を戻すのは難しいのだ。

「トップで体の重心がボールの真上にある状態を作ってください。もともとスウェイしがちな人にとっては、逆体重になるようなイメージでOK。あとは“下ろすだけ”でダフることはなくなりますよ」

Point.1
バックスウィングは右サイドを“引く”イメージ

重心をセンターに保ったままバックスウィングするには、右腰や右肩など体の右半身を後ろに「引く」イメージを持とう。右ひざが伸びてもいいので、右腰の右に空間ができる感じだ。

Point.2
ダウンでも体重移動は意識しなくてOK

スウェイのないトップさえ作れれば、体重移動を意識しなくても体を左に回していくだけで重心は自然とボールよりも先にくる。

Point.3
インパクトで右半身を押し込む

突っ込みを怖れすぎるとダウンスウィングで体の回転が不足する。思い切って右腰、右肩をボールの先まで押し込んでいこう

打ち込む意識は不要
ボールを右に置くだけでOK

ダフらないためには体の重心を右に動かさないことが大事だと言う谷口プロ。しかし突き詰めればアドレスの段階でちゃんと正しい位置に重心がセットされているかどうかが大事だと話す。

「芝が薄かったりライが悪いときなどは『打ち込もう』という意識で左体重がキツくなる人が多いですが、それはやりすぎでスウィングを乱します。体重配分は左右5対5でいいんです。5対5なら重心は真ん中にあるので、ボールを真ん中よりも右に置けば、自然と最下点より手前でヒットできるんです」

冬ならば、マージンを取ってボール位置は7番アイアンで右足の内側。球は低くなるがダフリのリスクは減る。

「ボール位置が右だと違和感がある人は、普段から無意識に球を上げようとしている人です。そういう人は、極端にボールを右に置いて打つ練習をしてください。これができるようになると、冬のゴルフも全然怖くなくなりますよ」

これならダフらない! 冬専用アドレス

体重配分は5対5

目線を低く

●ボールは右寄り

左右5対5の体重配分で構えれば、体の重心はセンターにある。ボール位置をこれより右にすれば、スウィングで余計なことをしなくても自然と最下点の手前でヒットできる。

Drill
右足前に置いたボールを打ってみよう

ボールを右寄りに置いて打つことに違和感がある人は、ボール位置を極端に右にして練習してみよう。フェースをかぶせて構え、インパクトでハンドファーストにしながらスクエアに戻して打つのがポイント

<Point.1>
かぶせたフェースをスクエアにして当てる

<Point.2>
フェースは返さず押し込むイメージ

月刊ゴルフダイジェスト2021年3月号より