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【浦ゼミナール】Vol.37 アプローチが劇的に向上する! トレビノ式「6・1P」をマスターしよう

身長171cmで420Yという驚異の飛距離を誇る浦大輔が、スキルアップのコツを伝授する連載「解決! 浦ゼミナール」。今回は、あのリー・トレビノが多用した、アプローチのミスが激減する魔法の打ち方「6・1P(シックス・ワン・ピー)」を教えてくれた。

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/√dゴルフアカデミー

前回のお話はこちら

「トレビノ式」ならミスしないし距離も合う

――ここ数回は、スコアメイクについてお話しいただいています。以前100切りの話の際に「UT+UTでグリーン周りまで行ける」という話がありましたが、僕らアマチュアは、そこからのアプローチで大ケガしたりするんです。この点はどうすればいいんでしょうか。

 普通にグリーンに乗せればいいんですよ。欲張ってピンを狙ったりせずに。必要以上に寄せようとするから大きなミスになる。ましてSWを持ってフワッと上げて寄せようなんてしたら、そりゃあミスも出ますよ。アプローチは6番アイアンか9番アイアンが一番簡単なんです。

――アイアン、しかも6番、9番ですか? 転がしってことですか?

 そうです。リー・トレビノが多用した「6・1P」(シックス・ワン・ピー)って知っていますか? 6番アイアンで乗せて、1パットでパーを取るアプローチ。これならよほどじゃない限りザックリしないし、距離感はパターとほぼ同じで打てるのでタッチも合う。圧倒的にやさしいし、これをちゃんとやれば70台が出せる打ち方ですよ。

――そんな魔法のような打ち方があるんですか?

 多分みなさんも雑誌などで見たことがあると思いますよ。ボールにメチャクチャ近く立って、クラブを吊ってヒールを浮かせて構え、パターみたいにストロークする打ち方。

――確かに、見たことがあります。「冬芝対策」のアプローチレッスンなんかでよく見ます。

 そうそう。冬の薄い芝でもザックリしないから。でもこれは冬用の特別な打ち方じゃなくて、いつでもどこでも万能に使えるテクニックです。とにかくミスがミスにならないっていうところがいいんです。SWやAWでのアプローチって、うまく打てたときとザックリしたりトップしたときで結果が大きく変わってしまう。でもこの打ち方はそもそもザックリしないし、何ならトップしてもうまく打ったときと距離が変わらないんです。

――なぜザックリしないんですか?


浦 ヒールを浮かせてソールの接地面積を極限まで減らしているからです。ソールの抵抗が小さいから手前に入っても滑ってくれるし、パターのようなストロークで入射角もゆるやかだから刺さるってことがない。アマチュアの人はこの打ち方を「カッコ悪い」って嫌がりますけど、ザックリするほうが100倍カッコ悪いでしょ(笑)。私はこの打ち方、超多用していますよ。

ソールの接地面を極力減らすんです

アイアンを吊ってパター打ち

パターのグリップでアイアンを吊るように持ち、できる限りボールに近づいて立つ。そして手首を固めてパターと同じようにストローク。意外とキャリーも出るが、6番アイアンならだいたいパターと同じくらいの距離感で打てる

芯を外して打つから飛びすぎる心配がない

――トップしても距離が変わらないというのも不思議です。

浦 そもそも芯を外して打つ打ち方なので、トップもナイスも一緒なんですよ。

――芯で打たないんですか?

 私はウェッジもアイアンも芯では打ちませんよ。芯で打たないからこそ得られる「飛びすぎない」安心感はゆるみが出ないし、距離を刻むショットの基本です。まぁ意識的にそれを考えるのはもっとうまくなってからでいいですが(笑)、この打ち方なら自然とそれができる。クラブを吊って持って、パターみたいにボールが目の真下に来るくらい近く立って構えてください。クラブのヒールが浮いて、どうやってもトウにしか当たらないでしょう? だから6番アイアンでも飛びすぎないししっかり振れる。このときの距離感が、だいたいパターと同じくらい。使っているアイアンによって距離感は差が出るので、自分のクラブでいろいろ試して、パターと距離感が近い番手・ボール位置を探してください。練習する際も、マスキングテープなどでクラブフェースのヒール側半分を潰しちゃってください。

――でもこの打ち方って、球が浮かないので手前ピンとかバンカー越えのときに困りませんか?

 最初に言いましたよね? 「ピンを狙って寄せようとしないこと」って。その発想がスコアメイクできない人の典型ですよ(笑)

――あっ! 言われました。

 手前ピンなら真ん中に乗せればいいし、バンカー越えなんてトラブルショットなんですから、欲張らずにバンカーのない方向を向いて打てばいいんです。私の生徒でこの打ち方を得意にした人が2人いるんですが、同じことで悩んだときに、1人は徹底してこの打ち方で攻められるようにバンカー越えを避け、ピンに近いサイドに外すことのないようにマネジメントを工夫しました。もう1人は、ロブショットを身に付けようとしました。その結果、2人の平均スコアは10打以上広がりましたよ。

――なるほど……。このアプローチをベースにすることで、マネジメントも磨かれるわけですね。

 もちろん上げる打ち方を知っていれば、それで大ピンチをしのげることもある。でも一般営業のコースでロブショットなんて必要な状況は皆無ですし、必要になったとしたらそれはすでにマネジメントのミス。同じ打ち方でも、9番アイアンやSWを使えばもう少し球が上がって応用が利くので、ほとんどの場合はそれで十分です。最初は9番アイアンくらいロフトがあったほうが弾道のイメージが出やすいと思うので、そこから始めるといいかもしれませんね。

球を上げたければ番手を替えればいい

ウェッジは芯で打たないクラブなんです

浦さんのウェッジは打痕がトウ側についている。浦さんはアイアンもウェッジも芯では打たないという。これは高等技術ではあるが、狙った距離を打つクラブでは「飛びすぎ」がもっともイヤなミスだからだ。「6・1P」のアプローチも芯で打たないことがポイント

フェースのトウ側半分だけを使う

この打ち方で使うのは、フェースのトウ側下の部分だけ。練習する際は、フェースのヒール側半分をテープなどで隠してしまうとイメージが出やすいし、トウで打つ意識が徹底できる

月刊ゴルフダイジェスト2023年3月号より