【アイアン】引っかけ、ショート、ザックリをなくす。グリーン面が見えない、左足上がりの100ヤード①
ピンまで100ヤードは、デッドに狙ってバーディチャンス! といきたいところだが、グリーン面が見えない打ち上げとなると、がぜん難しくなってしまう。「みなさん、左足上がりになると苦戦しますが、それはライを無視して打つからです」というのは佐藤英之プロ。日本は丘陵&山岳コースが多い。さっそく、番手選びと打ち方のコツを聞いてみよう。
左足上がりは傾斜なりに打つ?
それとも傾斜に逆らう?
佐藤 左足上がりのライからは、傾斜なりに打つのが正解です。傾斜に逆らって打つと、斜面に対して軌道が鋭角になりすぎて、ヘッドが抜けずにミスしやすくなります。
見た目よりもグリーン面は高い
左足上がりになっている打ち上げの100ヤード。
佐藤 この状況は、引っかけたりショートしたりしやすいですね。場合によってはザックリもあります。
GD そうなんです。ミスしてから打ち上げになっていることに気づいたり……。
佐藤 このショットでは、グリーン面がどのくらい高いかを見極めることが重要です。
GD どうやって判断します?
佐藤 ピンの見え方と足元の傾斜です。ピンの見え方はピン位置によって変わりますが、ピンの根元が見えなければ、少なくとも5ヤード以上の高低差があると考えます。5ヤードといえば2階の窓の高さですから、1番手は上げたいですね。
GD なるほど。足元の傾斜はどう見るのでしょう。
佐藤 ピンまで100ヤードだと、3度の傾斜でグリーン面は5ヤード高い計算になります。どんなゴルファーでも、だいたい3度の傾斜で気づくと言われます。構えたときに明らかな左足上がりだったら、高低差が7~8ヤードはあるわけです。この場合も1番手上げます。
【ポイント①】ピンの見え方はピン位置によって変わる
ピンの見え方は、ピン位置によって変わってくる。たとえば、手前ピンだと半分くらい見えていても、奥ピンだと見えなくなる。ただし、100ヤードの距離でピンの根元が見えないなら、グリーン面との高低差は少なくとも5ヤード以上あると判断できる。5ヤードといえば、2階の窓に相当する高さだ。
【ポイント②】左足上がり3度で5ヤード上がる
直角三角形の定規の3辺の長さで考えるとわかるが、30度の傾斜を100ヤード上がった先は50ヤードの高さになる。つまり、左足上がり3度ごとにグリーン面は5ヤード高くなる。わずかな左足上がりでも、思った以上にグリーン面は高い位置にあるのだ。
何番で打つ?
5度ごとに番手を上げる
GD では、番手選びと打ち方のポイントを教えてください。
佐藤 まず番手選びですが、100ヤードをAWで打つと仮定して答えます。ストロングロフトになっているいまどきのクラブでは、AWからPW、PWから9Iのロフト差は5度前後あります。
GD なるほど。
佐藤 そう考えると、5度左足上がりなら1クラブ、10度左足上がりなら2クラブ上げる方法が簡単ですよね。5度の打ち上げなら約8ヤード、10度なら16~17ヤード、グリーン面が高くなっているので、距離的にもピッタリのはずです。
GD 構えただけで、傾斜がわかるものでしょうか?
佐藤 体全体を右に傾けたまま振れるなら5度前後、体を“逆くの字”に折って、上体を右に傾けないと振れないなら10度前後の左足上がりです。
GD それならわかりやすいですね。打ち方のコツは?
佐藤 大切なのは、傾斜に逆らわないことです。傾斜なりに構えて、右足体重をキープしたまま、その場で体を回転させるように、ベタ足でスウィングするのがポイントです。
【平らなライ】AW…ゆるやかなダウンブローで打つ
佐藤 ボールの先のターフを取るようにゆるやかなダウンブローでヒットします。
【左足上がり5度】PW…傾斜なり構えて傾斜なりに打つ
佐藤 傾斜に対して、体ごと直角になるように構えます。右足体重のまま、傾斜に沿ってクラブを振ります。平らなライよりも自然とコンパクトなスウィグになります。
【左足上がり10度】9I…右足体重のまま体をその場回転させる
佐藤 体を“逆くの字”に折って、背骨を傾斜と直角にして構えます。右足体重を保ち、体をその場で回転させるベタ足スウィングでOKです。バランスを崩さない範囲で振ります。
グリーン面が見えない、左足上がりの100ヤード②に続く
PHOTO/Yasuo Masuda
週刊GD2019年11月26日号より
特選レッスン「こんどこの技!」バックナンバーはこちら↓
上手に攻めて最短でグリーンに乗せるレッスン