【ゴルフはつづくよどこまでも】Vol.115「“低い球”が打てるようになる練習法、教えます」
高松志門の一番弟子として、感性を重んじるゴルフで長く活躍を続ける奥田靖己。今週もゴルフの奥深い世界へと足を踏み入れていく。
PHOTO/Hiroshi Yatabe
前回、冬場のラウンドをおすすめしましたが、冬のラウンドで有効なのが低い球です。
最近は、ドライバーは高い弾道のキャリーボールがもてはやされておりますが、それは温暖で土壌が軟らかい場所ですることが多い米ツアーの試合を前提とした話で、イギリスのような寒冷で土壌が硬い所でやる場合は、逆に低い球が有効になります。
日本は四季があるので春夏は米国式の高い球、秋冬は英国式の低い球が有効なわけですが、高温多湿な夏場のラウンドは少ないので通年で考えれば低い球を打てたほうが日本のゴルファーにとってはいいわけです。
風が強く、下が硬く、寒くて体が動かん冬場は、この低い球を身に付ける最適な時期です。そこで、低い球を打つためのとっておきの練習法を教えます。
低い球を打つ基本は、インパクトで払うイメージでできるだけ入射角をゆるくして、「低い所から低い所へ抜ける」ようフラットな円を描く感じで振ることです。
フラット軌道は、クラブを真横(水平)に振ればできるので、これを徐々に低くしていけばええ。
まず練習場でゴムの一番高いティーを用意します。高いティーにすると、よりスウィング軌道がフラットになるんで低い球を打ちやすいんです。
でも、ドライバーでティーアップを高くすると、飛距離を出したいとアッパーに振るようになるし、球を抑えようとすると打ち込んでしまうので、なかなかフラットに振れずに上下動が入ってしまいます。そういう人に2つのドリルを教えます。
1つはドライバーでティーをうんと低くして、直ドラに毛が生えたくらいな状況で打ってみてください。
もう1つは、サンドウェッジでティーを高くしてボールの赤道を打って低い球を打つ。このドリルができるようになれば、あらゆるクラブでインパクトの精度は上がってくるので、打球の高低の打ち分けができるようになります。
上手な人は「ロフトのあるクラブで低く打つ」「ロフトのないクラブで高く打つ」。これはプロのなかでも一目置かれる打ち分けです。
冬場の今、ぜひともチャレンジしてみてください。
「低いティーアップで1W、高いティーアップでSW。練習してみよう」
奥田靖己
おくだせいき。1960年、大阪生まれ。93年日本オープンなど6勝。シニアで2勝。ゴルフの侘び寂び、温故知新を追求する
週刊ゴルフダイジェスト2023年2月7日号より