【ゴルフの急所】Vol.24 ふわりと上がるアプローチが打てるようになりたい
30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。
PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC
私はアプローチで高い球を打つのが苦手です。どんな練習をしたら、ふわりと高く上がる球が打てるようになるのでしょう?(長井祐輔さん・48歳・HC18)
ダルマ落としの要領で
ヘッドをボールの下にくぐらせる
基本的に、アプローチで高い球を打てない人には、2つの共通点があります。それは、フェースを開けないことと、ボールを左に置けないことです。逆に言えば、その2つの感覚さえ身につけることができれば、球は簡単に上げられるようになるのです。
そこでやってもらいたいのが、フェースをできるだけ開いて、左つま先前に置いた球を打つ練習です。
フェースを開いて打つのは、はじめのうち、ちょっと怖いかもしれません。でも、これができないとふわりと上がる球は打てないので、ぜひチャレンジしてみてください。
まず、いつもより少しクラブを短く持ったら、できる限りフェースを開きます。このとき、クラブを強く握ると球が上がりにくくなるので、クラブは柔らかく持つようにしてください。スタンスはスクエア。両足は肩幅程度に広げ、球は左つま先前に置きます。
球を左に置いたときには、腰を左にスライドさせ、左足体重で構えるのがポイント。体重が右に残っているとトップしやすいので注意しましょう。
この構えができたら、ストレートか、ややインサイドアウトの軌道で振っていくのですが、このとき、ボールを打つというよりも、ダルマ落としの要領で、ヘッドをボールの下にくぐらせるのがポイントになります。
これができると、ボールはふわりと高く上がります。
芝が薄いとヘッドをくぐらせにくいので、この練習をするときには、なるべくいいライを選びます。芝の上で練習できない場合は、ティーアップをして打つとよいでしょう。ティーアップをしてティーだけを打つようにすると、だるま落としの感覚もつかみやすいです。
ヘッドをボールの
下にくぐらせる
Point ティーを打つ練習が効果的
ダルマ落としの感覚をつかむには、ティーアップした球のティーだけを打つとよい
ヘッドをボールの下にくぐらせようとしたとき、ヘッドが地面に刺さるのは、バウンスが使えていない証拠。
この場合は、ヒール側のバウンス=ソールの後方部分(写真参照)を地面につけて構え、そこを地面に当てる感じでスウィングすると、ソールが抜けやすくなるはずです。
いつも言っていることですが、ゴルフが上手くなりたかったら、遊び感覚でいろいろな球を打つことが大切です。ふわりと高く上がる球が自信を持って打てるようになると、アプローチの幅も広がると思いますので、頑張ってみてください。
ヒール側の
バウンスを使う
フェースを開いたときには、ヒール側のバウンスを地面につけて構え、そこを地面に当てるように使うのがポイント。ヒール側を地面につけるためには、ピッチエンドランを打つときよりもボールから少し離れて立ち、いつもより少しハンドダウン気味に構えるのがポイントだ
気持ちよく打てる
体重配分を探る
月刊ゴルフダイジェスト2023年2月号より