【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.56「数学の方程式と同じ? ロブショット練習にも意味はある!」
家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!
ILLUST/Masaaki Takauji
前回に続き、ロブショットのお話。
ロブショットは失敗したときのリスクが高いので、どうしてもロブショットでなければ寄せられないという状況以外では使わないだろう。たとえば、バンカー越えでピンがエッジからすぐのところに切ってあるときとか。
でも、そんな状況にはそう頻繁に遭遇しない。めったにない場面での、めったに成功しないショット。まるで医療ドラマのめったにない症例を、めったに成功しない手術で助けるシーンのようだ。
だったらロブショットなんか練習しても無駄ではないか。そう思うのも当然だ。ボクも学生の頃、難しい数学の方程式なんて社会で役に立たないから、勉強しても意味がないと思ったくちなので気持ちはわかる。
でも、この歳になって思うんだ。あれは方程式そのものが大切なのではなく、勉強することで数字に慣れ親しみ、理論的な思考を身につける、という意味で大切なのだと。
ボクがロブショットの練習をするのは、ロブショットを必要とする場面に備えるためではない。ロブショットの練習が、クラブの操り方やボールのとらえ方を覚えるのにとても役立つからだ。
よくやっているのが次のような打ち方。まず、アプローチウェッジのフェースを目標(たとえば30ヤードの看板)に向ける。体もその目標に正対させる。上体もひざも、ぜーんぶ30ヤードの看板に向ける。そして、グリップエンドが太ももに触れるくらいボールに近づく。最後に思い切りカットに打つ。
右手リードで左手は添える程度でOKだ。目標に正対しているので、かなり変則的な打ち方だが、アドレスでフェースを思い切り開いたりしないので、意外と簡単だ。
それなのに、めっちゃ球が高く上がる!
重要なのは右手の動かし方なので、右手1本で練習しても構わない。その場合、ヘッドの重みを感じるために、クラブはちょっと長めに持つのがおすすめだ。
腕に力が入りやすいのでボールを上げたいと思わないこと。そして、体とクラブの距離を変えないように打つことが大切。ボールを凝視するとダフるので、ぼんやり見る程度でいい。なんなら、ルックアップしても問題ない。
ヘンテコな打ち方なので、コースで披露するのは気が引けるかもしれない。でも練習場ならどんなにブサイクでもいいでしょ。って、都会の人はそれも気にするのかな~?
まぁとにかく、クラブがどこを通るとうまく当たるのかを考えてみてほしい。思ったよりもインサイドに上げるといいのか、それとも極端にアウトサイドに上げるといいのか……。そのへんは試行錯誤しながら、各々の正解を見つけてほしい。
冬は寒いからインドア練習場に行くという人も多いだろう。そんなときは、ロブショット練習を積極的に集中的にやってみてはいかがだろうか。
クラブの操り方を覚えるのに最適。クラブがどう動くとうまく当たるかを意識して打ってみよう。ヘッドの動きがわかると、全ショットの上達につながる
全員がチャンピオン! 二宮家
週刊ゴルフダイジェスト2018年1月23日号より