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フェード系の強い球で攻めたい中上級者向けドライバー。プロギア『 RS5 F』

多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏が最新クラブを徹底的に計測・分析する「ヘッドデータは嘘つかない」。今回はプロギアの「RS5 Fドライバー」を取り上げる。

解説:松尾好員
まつおよしかず。往年の名手、S・バレステロス、I・ウーズナム、青木功、加瀬秀樹らのクラブ設計を担当。近年のクラブを知る“現代の知匠”。ジャイロスポーツ主宰

低スピンで飛ばせるアスリートモデル

プロギアのアスリートモデルである「RSシリーズ」は通常、ターゲットに合わせ2~3モデルを展開している。今回紹介する「RS5 F ドライバー」は、よりアスリートに向けたモデルといえる。ヘッド後方の可変ウェートが「RS5」に比べ前方に位置しており、そのおかげで重心深度が浅くなり、低スピンで飛ばせるモデルとなっている。

実測した数値は、クラブ長さが45.25インチとやや長く、クラブ重量も307.5gとやや重く、スウィングウェートもD2.9とやや大きいため、クラブ慣性モーメントが292万g・cm2と大きくなり、この数値だと本来、ドライバーのヘッドスピードが46m/sくらいのゴルファーがタイミング良く振れる設計になっている。ただし、試打した標準シャフトはSフレックスでも少し軟らかめなので、ヘッドスピードが42m/sくらいのゴルファーでも十分に扱えるだろう。

Point1. リアルロフト角が9.7度と小さく中弾道の強い球が打てる
Point2. ヘッド重量が200.3gと重く、バランスもD2.9とやや大きい
Point3. 左右のヘッド慣性モーメントが4922g・cm2と大きくミスヒットに強い

フェード系弾道が打ちやすい

ヘッドから見ていこう。兄弟モデルの「RS5」はヘッドの横幅が広いモデルだったが、この「RS5 F」は縦に長い形状になっている。アドレスでは前モデルの「RS F」よりも強いオープンフェース設計だが、完全に「逃げ顔」かというとそうではなく、時計盤でいうところの4時方向の張り出しで、ヒール側の強さもイメージさせており、よりスクエア感が出ている。また、フラットなライ角度で、「RS5」のような見た目のアップライト感やつかまり感はないモデルなので、上級者に好まれる顔だといえよう。

実際に試打したところ、まず前述のように、構えてみると強いオープンフェースで、フェースがまったくかぶらないスクエア感を大事にしていることがわかる。

浅い重心深度によりインパクト付近でのアッパーブロー感はなく、レベルにスウィングできる設計で、より厚いインパクトを生んでいる。そして、「RS5」と同じように重心は高く、前モデル「RS F」よりもスイートスポットの位置が高い、高重心設計なので適度なスピンが入りやすく、インテンショナルにドローを打った時でも球がドロップしにくく、ロングキャリーを維持しやすくなっている。

標準の「RS5」よりも重心距離が2.4mm長く、かつスイートスポット位置もややトウ寄りなので、自然にフェード系弾道を打ちやすいヘッドといえる。また「RS5」に比べてリアルロフト設定が厳しく、かつレベルにスウィングしやすいので、ヘッドスピードが45m/s以上のゴルファーであれば、中弾道の強い球で、「RS5」よりも飛距離が出るだろう。

<試打クラブスペック>
ロフト角/9.5度 シャフト/ツアーAD for PRGR(S)


プロギア
RS5 F ドライバー

●ヘッド素材/チタン&カーボン コンポジット
●ロフト角/9.5度
●ライ角/56度
●長さ/45.5インチ
●シャフト/ツアーAD for PRGR(S)
●価格/8万8000円(税込)

クラブ&へッドデータ(実測値)

クラブ長さ/45.25インチ
クラブ重量/307.5g
スウィングウェート/D2.9
クラブ慣性モーメント/292万g・cm2
ヘッド重量/200.3g
ヘッド体積/453ml
リアルロフト角/9.7度
ライ角/57.0度
フェース角/オープン1.5度
重心距離/40.9mm
重心深度/36.4mm
フェース高さ/56.8mm
スイートスポット高さ/37.3mm
低重心率/65.7%
ヘッド慣性モーメント(左右方向)/4922g・cm2
ネック軸周り慣性モーメント/7512g・cm2

週刊ゴルフダイジェスト2021年2月9日号より