世界最大のゴルフ見本市「PGAショー」バーチャル開催で試打もできず
先月末、開催されたPGAマーチャンダイズショー(PGAショー)、そして2月4日まで開催されていたゴルフインダストリーショー。ともに、コロナの影響で今年はバーチャルでの実施となった。
PGAショーはその名のとおり、クラブプロの集まりであるPGAオブアメリカが主催する世界最大のゴルフ用品ショー。基本的に一般ゴルフファンは入場不可だが、一部の有名ツアープロをはじめ、業界の人間が一堂に揃う用品の受注会だ。最近は、ずいぶん様変わりしているが、もともとはメーカー各社がここで新製品を発表し、プロショップなどがその年の品揃えを決める形をとっていた。それだけに試打会などが大々的に催されていたものだが、新商品発表の足並みを揃える流れでなくなってきていたうえ、バーチャルとなると当然ボールやクラブを実際に試すことはできない。また、実際に顔を合わすわけではないので、プロ同士、バイヤー同士の情報交換もできず、PGAショーそのものの存在意義が問われる現状となっている。
一方のインダストリーショーは、アメリカのグリーンキーパー協会(GCSAA)主催で、ゴルフコースの造成業者協会や設計家協会などが協賛するショーだ。こちらは、ゴルフコースの“裏方さん”のための、かなり専門性の高いショーで同じくバーチャル開催。PGAショーと同様、講演会や資格を得るための講習会なども開催されてきたが、こちらのほうはバーチャルでもなんとか従来のクオリティをカバーできているというのが大方の見方だ。
いずれに出展するメーカーも、大手ならバーチャル、プラス各地で独自に受注会を開催することもできるが、小さなメーカーにとっては厳しい。試練の年となりそうだ。
週刊ゴルフダイジェスト2021年2月16日号より